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誕生日は大忙し 3

 郊外の、大きな駐車場がある複合型施設に入ったシアターに到着、例の男性同士の恋愛映画のシアターに入った。まだ客電もついて明るい状態、観客はふたり以外ほぼ全員といっていいほど女性だった。チラチラと多方から視線を感じる。ただ男性だというのが珍しいだけなのか、それとも。 「やっぱりこんなん観に来るのって、腐女子とかいう人らがほとんどなんやろか」 「そうかもね」  ひそひそと耳打ちしているだけでも、けっこう注目を浴びている。リョウは周囲の目が気になるが、アヤはそうでもないらしい。 「俺らのことも、『あっ(察し)』みたいな感じで見てるんかな」 「それならそれで、そのほうが過ごしやすいんじゃない」  肘掛けに置いていたリョウの手に、アヤの手が重なった。周囲の女性たちが一斉にスマートフォンを操作し始めたように思うのは、リョウの気にしすぎかもしれないし、そうではないかもしれない。  映画鑑賞を終えるとすっかりお昼前。施設内で軽食を摂ったらすぐにまた車で出発だ。車中では映画の感想を語り合った。

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