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第1話
ド田舎…
とまではいかないけど、まぁそこそこの田舎出身の俺、新見颯斗 はとても不純な動機で東京に住んでたりする。
特に東京でやりたい事もないし、叶えたい夢なんてもんもなくて、ぶっちゃけ東京なんていう怖い場所になんか来たくなかった。
俺は田舎で十分満足してた。
でも、俺は安心で安全な安定な田舎暮らしを捨てて東京に来てしまった。
黒木蹴人 。
1ミリだって離れたくない幼なじみの側に居る為だけに…
ただ側に居られたら、それで幸せ。
シュートの特別は俺だけ…
群れるのが嫌いなシュートの側に居るのを許されたのは俺だけ…
シュートの場合は群れるのが嫌いというか、人と深く関わるのが怖いって言った方が正しいけど…
昔はそんなんじゃなかったのに、"あの事" があってからシュートの人との関わり方は変わった。
俺は、唯一許された人として、この場所を守らないといけない。
俺以外が入り込まないように…
誰もそこを踏み荒らさないように…
俺はその為だけにシュートにくっついて東京に来た。
ぶっちゃけ、受験は死にそうだった。
思い出しただけでも涙目になる。
勉強が得意なシュートに対して、かなーりおバカな俺…
見た目チャラチャラしてるのにシュートは勉強ができる。
スポーツだってなんだって人並み以上にできる。
おっとこ前だし、優しいし、イケメンだし、流石は俺のシュートって感じ。
シュートは女にも男にもモテる。
そのモテるは恋愛感情以外も含めて。
来るもの拒まず去るもの追わず…
それがシュートのモットー。
だから少しでも目を離すと…
「颯斗くん、颯斗くん。」
「んー?」
「蹴人くん知らない?」
「シュート?シュートならソコ…に…」
居ない!!
…と、まぁこのザマ。
多分さっき仲良さげに話してた女と抜けたんだと思う。
シュート好みの巨乳だったからマークしてたのに…
頭悪そうな巨乳ならまだしも、シュートの選ぶ女は知的で品がある。
そこに巨乳がプラスされたらかなーりご機嫌。
俺の大好きなシュートくんは、女にしても男にしても知的で品がある美人に弱い。
とにかく弱い。
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