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第2話
分かっててもヘコむ…
シュートは捕まえようとしても砂みたいにスルスルすり抜けてく…
でも、必ず俺の側に戻ってくる。
だから、明日もなにもなかったみたいに俺の横に居るんだと思う。
だからまた期待する…
自分の学習能力のなさに、さらにヘコむ…
それの繰り返し。
ホント、無限ループ。
「ね、颯斗くん、私たちも抜けちゃう?」
「…」
「ねぇ、聞いてる?」
「あー、そういや俺、今日見たいテレビあったんだった!」
「え、テレビ?」
「そそ。どうせ俺もシュートも人数合わせで呼ばれたようなもんだし。場を一通り温めたら帰っていいって言われてんだよな。」
「え、そうなの?蹴人くんと颯斗くん以外が人数合わせの人だと思ってたよ。」
酷っ…
この女、絶対性格悪い。
俺はそういう嗅ぎ分けが上手い。
というか、女に興味ないから女と居ても騙されない。
女に興味ない…
俺はそっち側の人間…
両方いけるシュートとは違う。
「違う違う。ってわけで雰囲気壊したくないし、俺はこのままこっそり抜けるな!」
人数合わせの割に、主催者よりウチのシュートくんは持ち帰り率が高い。
いや、持ち帰り率100%。
まぁ、俺の邪魔が入らなければの話だけど。
シュートがモテるのは当然だと思う。
だって、俺のシュートだし。
独り占めしたいけど、それはしちゃいけない事だって、俺が一番分かってる。
シュートの側に居たいなら束縛はダメだ。
束縛したい…
したいけど、出来ない…
「えー。」
「はい、これ。多分足りると思うから俺とシュートの分、主催者に渡しといてな?」
とりあえず諭吉さんを置いて、ガヤガヤうるさい安居酒屋を出た。
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