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第1話

ある日の夜、お手伝いさんが騒がしく僕の部屋をノックした。 「清水さん……?」 「ぼっちゃん!寝てる場合じゃございませんよ!誰かがここに入り込んだんです。ええ、あたしはこの目でしっかり見ましたとも!」 もうすぐ16を迎える僕にぼっちゃんという呼び名は少し恥ずかしいのだけど。 それより、侵入者? こんなおんぼろな家に入る目的が分からない。 「部屋でうとうとしていますとね、窓の外を何かが走り抜けたんですよ!そしてその後、ドアが開く音が聞こえたんです、ギーってね!」 「何しに来たんだろうね?」 「もう!ぼっちゃんはぼんやりしすぎです!はやく見つけてコテンパンにしてやりましょう!」 そこまでやる事ではないんじゃないかな…… 清水さんが一旦やる気を出してしまったら、僕は付き合うしか出来ない。

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