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第4話
困ったな。
何か言ってくれないと分からないし。
僕は今日初めてここに来たばっかりだから、近所の事情とか知らないし。
「そうだ、なにか飲もう。何がいい?」
「…………」
「ホットミルクにしようか、あまーいやつ」
「…………」
相変わらず何も言わない男の子の頭をなでて、キッチンに向かった。
「はい。あついからさましながら飲むんだよ」
両手でマグカップをもって、一生懸命ふぅふぅしている。
かわいいなぁ。
「……おいしぃ。ありがと…」
「あっ、しゃべった」
小さな声だったけれど、ちゃんと届いた。
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