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第3話
10年前、ちょっとした事故に巻き込まれてから人と接触するのが面倒になってしまい、人と関わらないで済む上に、欲求不満も開放できて、俺のこの10年は何も不満なく滞りなく動いていた。
インターフォンが鳴るまでは。
珈琲を入れていたら、玄関からインターフォンの間抜けな『ピンポーン』と言う音が聞こえてきたのだ。
このマンションはオートロックだから、俺の部屋でその音が聞こえるはずが無くて首を傾げる。
隣人だったら嫌だな。
徹夜明けで風呂も入ってないし、髪もぼさぼさで酷いし。
まあ、無視だ。
そう決めて珈琲を一口飲んでいたら、声が聞こえてしまった。
「すいませーん。乙宮さん、警察の竜宮です」
警察。
「開けてくださーい」
ドンドンと玄関を叩かれ、真っ白になる。
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