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第20話

「いやあ、まあ。俺、魅力ないし」 「旦那さまには魅力的なんですよ」 「それに結婚しても、官能小説家はやめないし料理はできないし、洗濯物は皺伸ばせないし」 「問題ありませんよ」 何を言っても、辰崎さんにはきっと取るに足らないものなのだろう。 それかこれからドナーとして身体をバラバラにされてしまう俺には、身体の部位以外興味ないという意味だろうか。 「かーずーはーさーあーんー」 用意された椅子の上で覚悟を決めて縮こまっていた俺に、ありえないぐらい猛スピードの車が向かってくる。 警察が……スピード違反? 「同性婚、受理されました。もし何か記入ミスがあったら来週の月曜に連絡来るらしいんだすが、無事に婚姻届提出しました!」 「……そうか」 ちょっと複雑な気持ちだが仕方ない。

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