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第149話

よく見たらサイズも少し小さいのかな? 高卒で四月から働いて、半年も経ってないのにおかしい。 「あっくん、あのさ。俺たちのルールに『嘘をつかない』ってあったよね?」 「もちろんです。嘘なんてつきません」 「でもあっくん、俺に言えないことあったよね? 撮影会が終わるまで」 「そうですね」 あっくんが俺の言葉の意図が分からず、首を傾げている。 けれど黙ったまま撮影なんてできない。 「ごめん。知っちゃった。これでしょ?」 学生証を口元に持ってきて、あっくんに見せた。 その瞬間、真っ白になって砂煙と共に消えてしまいそうなほど細くなったあっくんがいた。 「それ、コスプレ?」 「えーっとその、あの、ごめんなさい!」 急に土下座しようとしたので慌てて止めて、あっくんの筋肉質で美味しそうな腕を両手で引っ張り立たせる。 「謝らなくていいよ。それって、俺のためなんでしょ?」

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