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第150話

「和葉さんっ」 「ちゃんと撮影会が終わった後言おうとしてくれてたみたいだし」 「勿論です」 「俺を騙して地下オークションでエロ目的で売り飛ばしたり、石油王に献上するとか、実は町田さんはAV監督で今からAV撮られるとか、色々最悪なことを考えていたおかげで、全然傷ついてない俺がいる」 やはり30歳の大人の余裕だろうか。 あんな名家に生まれて、大学を出ないわけがない。 「和葉さん、すげえ嬉しいです。なんかネガティブじゃない和葉さん、美しいです」 「まあね、指一本でいいよ」 潤んでいたあっくんの瞳が、一瞬で砂漠になった。 そして、あっくんの時間が止まったかのように動かなくなった。 そして『ん?』と一瞬首を傾げた後、時間が動き出す。 「さ、行きましょう。町田さんがイく前に」 「うん。ゆーび。ゆーび、ゆびゆび。ゆびはー、アナ〇ビーズより驚きの細さ―」 「変な歌、歌わないでください! そしてその愛らしい口からそんな玩具の名前、禁止!」 半泣きのあっくんが俺を真っ青な顔で見るので、笑顔で頷く。 「一本でいいからねー」

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