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第167話

本当に忍者居そうで怖い。庭から五人ぐらい飛び出してくるんじゃないのかと思っている。 話を脱線させるのは止めてほしいけど、今度探してやろう。 「で?」 「あ、っと。例えば提出した宿題を貰ってないと言い張ったり、進路指導室に呼び出されて先生は来なかったり。なんか、良く分からねんだけど薄気味悪くってよ。授業中、俺と隣の席を通過するときとか、少しだけ肘が肩に触れるとか、ほんとなんか意味わからねえしストレスになってちまって」 「和葉さん、口調が戻ってます」 「おっと」 咳ばらいをし、上品に笑ってごまかす。 「で、また宿題を提出してなかったからって、罰で進路指導室でプリントしろって言われて、今度はちゃんとプリントあったんだけど『好きな体位は?』とか『弱い体の部位は?』とか、なんかもうセクハラ通り越してきっもちわるくて」 「許せませんね。しかるべき処置が必要ですね」 「で、もう頭きて、そのプリント顔に投げつけて、職員室で突き飛ばして、なんか恐怖でパニックなっててよく覚えてないけど、たぶん殴ろうとしてしまったんだ。それを警備員のおじさんに抑えられて――。いつも進路指導室であのババア待ってるときに、気にかけてくれた人だった」 言いながら、気持ち悪くなって喉を押さえてしまう。

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