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第186話
「きゃー。和葉さんに襲われる」
「フフフ。良いではないか、良いではないか、俺の嫁、脱げー」
「きゃーっ おやめになって、旦那さまっ」
のりのりの和葉さん、可愛いなあと思っていたら急に腰を押さえた。
「和葉さん?」
「今、腰が死んだ」
死んだ!?
へなへなと俺のお腹に倒れこむ。それは、朝方まであれほど腰を揺らせば、痛くもなります。
しかも、日ごろから運動なんてしていない、繊細な体なんだから。
「お風呂行きましょう。マッサージしながら入れば少しはましですよ」
「わーん。嫁」
「好き?」
「好きっ」
首に抱き着いてきた可愛い旦那様をお姫様抱っこすると、そのまま廊下を歩き、風呂場へと向かう――。
……ん?
一瞬、玄関の擦りガラスの向こうに人影が見えた。
この屋敷は、入り口からうちまで数百メートル。
門が勝手に開けられたり侵入されたら、センサーが鳴るしそのままセキュリティ会社からこちらに人が来ることになっている。
ということは、間違いなく、辰崎さんがそこに立っている。
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