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第263話
明日には、新婚旅行に行くというのに俺たちは喧嘩した。
辰崎さんは馬に蹴られたくないからとさっさと猫たちを座敷牢に帰し、自分も家に帰った。
残された俺とあっくんは険悪。ド修羅場。そんな中、俺がお風呂に入ろうとしたら、一緒にアヒルを持ってあっくんも脱衣所に現れた。
「なんで来るの。俺、まだ怒ってるんだけど」
「俺も怒ってますけど、世界が明日滅亡しても風呂は一緒に入ろうって家訓でしたから」
そんな家訓、今まで俺すらも知らなかったんですが。
意地でも一緒に風呂に入りたいらしい。
俺は腰にタオルを巻いて、鼻息荒く風呂に向かう。
「今日は洗いっこどうしますか!」
なんでちょっと切れ気味で聞いてくるんだよ。
「自分で擦ったら?」
んべ、と舌を出して、俺はさっさと自分の体を……。
んんん?
ボディソープをタオルの上にプッシュしていたら、ある異変に気付いた。
「ぎゃあああああああ」
「どうしたんですか? 例のあの黒い生物ですか!」
「ば、ばか! 喧嘩中だろ! こっち来るな」
絶対に来るな。
俺の股間の陰毛が、アフロになってるから絶対に来るな。
なぜ、ちりちりのアフロになっているのか。
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