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第262話

「ナニですか? 会いたかったんですか!? あの人嫌いの和葉さんが!」 「あっくんの意地悪! ほーら、アへ顔ピース、ほらほら」 「和葉さん! その顔禁止ってい言ったでしょ!」 「ちんこが大きいのに器のちっさい男―!」 「も、もー! 絶対に許しません。和葉さん、こっちに来てください! 俺のどこが器の小さい」 ごほん。 まるで稲妻が落ちたかのような、大きな咳払いに、俺たちはアへ顔と餅を膨らませた頬を戻し、正座した。 「ペット専用のデザイナーを私が知っております。私に任せていただけますでしょうか。あと、この予算は、大旦那さまから頂いているお給料の中から出しますのでお二人には迷惑をかけません」 深々とお辞儀してくれて辰崎さんはなんて紳士で良い人なんだ。 隣の、すぐに地雷だの解釈違いだの文句を言うあっくんとは大違いだ。 「俺も辰崎さんみたいな落ち着いた大人の男性になら、信用できます。お任せいたします」 「俺だって、俺だって、和葉さんが邪な目で見る様な相手じゃない、ちゃんとした人を紹介してくれる辰崎さんに任せます!」 「邪!? 創作活動の一環なのに、酷い! 馬鹿! 遅漏!」

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