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プロローグ

 とにかく暑い夜だった。  賑やかな夏祭りの喧騒を遠くに聞きながら、神社の境内の茂みの中で、誠司は煽られるまま、夢中で腰を振っていた。 「セイジ……最っ高じゃん」  誠司の額から汗がぽたぽたと流れても、組み敷いている男は気にすることはなかった。それどころか、ただ本能の赴くままに腰を振っている誠司を甘く褒めてくれる。  男に突っ込んで腰振って褒められて、バカみたいに嬉しくなり、一層腰を深く穿つ。    いつか冷静になれば、あのときはどうかしてたのだと思うのだろうか。きっと夏の暑さのせい。熱帯夜のせいだ、と―――

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