16 / 19

非王道と王道(16/16)

背後霊っぽい人に話し掛けられたのか、黒マリモの肩がビクッと跳ねる。 すると長身の奴がクックッと笑った。 そりゃ驚くだろ、俺だってビビるし。 気配殺して脅して反応を楽しむとか……あいつ腹黒だよ、絶対。 「お前、名前何?」 「……えっ」 急に隣のイケメソに話し掛けられてびくっとする。 「名前。教えて?」 「……聞く前に名乗れよ」 「あ、そっかぁ、そうだよな。俺は三橋 昴(ミツハシ スバル)。お前は?」 冷たくあたったら極上スマイルで返ってきた。 何か可愛いぞ、こいつ(人懐っこくて)。 「……大崎 真琴」 「よし!大崎、行くぞっ」 「は、どこに?……っておい!」 三橋の足がどんどん黒マリモと長身の二人に近づいていってる気が。 すごく嫌な予感がする。 今思えばこれが俺の平凡な日常を崩すひとつの要因だったのかもしれない。

ともだちにシェアしよう!