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黄色い鳥

 窓側にリュックを下ろして座る僕と斜め向かいに座るサガ。 テーブルにマグカップを2つ置いたサガは、ビニール袋からタッパーを2つ取り出した。 「こっちは人参とカラムーチョのサラダ、こっちはカレー用の赤福神漬けとらっきょうの甘酢漬け………先につまんどいてええからねぇ」 「ありがとう。僕、カレー大好物なんだ」 ちょっと勇気を出したら、俺も!とサガは嬉しそうに笑ってくれた。  「飲み物は牛乳ねぇ……マグカップいつもどっち使ってる?」 茶色のクマと黄色の鳥のマグカップがあったから、茶色のクマの方を指さすと、わかったぁとふんわりと微笑んで牛乳を注ぎ、僕の方へ寄せる。 「黄色い鳥ばっかじゃん、サガ」 僕は一笑する。 「あっ、ほんまやねぇ……やっぱ好きやからなぁ」 サガは牛乳を注ぎながら、ふふっと笑ってマグカップを口に運んだ。  「あとは、ちょっとやってて欲しいことがあるんやけどさぁ」 サガは肩に掛けていた赤と青のショルダーバッグから何かを取り出し、藍色のカバーを外してちょこちょこと触り始めた。 「ここに基本情報とか知ってて欲しいこととか、とにかくなんでも書いといてぇ」 終わったらゲームで遊んでてええからなぁ、と言いつつ、タブレットを僕に渡す。 その後、サガは藍色のチェックのエプロンを取り出してすぐ着替え、牛乳パックを持ちながらキッチンへと入っていった。

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