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平太の寝顔
耳は1番早く覚醒するのか、カイリが誰かと話してる声が聞こえてきた。
「そんな嘘が通じると思うな、柄谷!」
叫び声が深みがある感じだったから、エッちゃんさんだってわかる。
「ほんま、へいたんは今おやすみ中だから」
カイリが関西弁と標準語が混じりながらそう言ったと同時にドライヤーの音が止まる。
え〜と、シャンプーが終わったってことだから……20分くらい経ってるな。
気を利かせてくれたことが申し訳なくて、もう起きようかなと思ったら、柔らかくて高い声が聞こえたから止める。
「証拠に、へいちゃんの寝顔見せて?」
恥ずかしいけど、髪を切ってくれたカイリにお礼になるかな……なんて言い訳して寝たふりをする僕。
かわいい〜と女子高生が写真を撮る時のような声を上げる……たぶんツクとサガ。
「はぁ、舐め回したい」
「プック、発想がバリヤバいねぇ」
「そう言うハトはどうなん?」
「あなら……夢の中でも犯したい、かなぁ」
お前もヤバいやんかって言うサガに、そうだぁねと返すツクのやり取りに天国にいる天使ってこんな感じなんだろうなぁ、なんて癒される僕。
「ブーリーしたなるわ」
ココナッツミルクのカレーみたいなパンチのある感じの声が聞こえて、カイリが楽しそうに笑ったから……これが根切さんかと思った。
「あんまりいじめないでよ」
そう言って目をこすると、7通りの呼び方が飛び交う。
それで、モトとキヨもいたんだとわかり……一挙に集まるなんて仲良いなとのんきに思った僕。
「ネギーのせいで起きてもうたやん」
「ミーのせいちゃうがな」
不満そうに言うキヨに逆ギレのように返す根切さん。
「仲良うしろよ!」
「ケンカはよくないでしゅ……気が収まらないならぼくちんを踏みつけてくだしゃい」
間を取り持とうとするエッちゃんさんとモト。
どうなるかと見守ってたら、カイリがクシを通すのを止めて、鏡を開いた。
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