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第10話

「いや~。それにしても、男前だな~お前」 勝司が立ち去るのを見届けた、大城の第一声がそれだった。 「俺の出る幕なかったわ」 「そんな事ないよ。あんたが居てくれたから虚勢張れたし」 「まあ、役に立てたんならなんでもいいがな」 ぽんぽんと頭を撫でられて、ちょっと泣きそうになる。 「それにしても、お前の元恋人。よくここが分かったよな?」 「多分。母さんに沖縄に居るって教えちゃったから、そこからバレたんだと思う」 「沖縄ってだけで、素人が見つけられるもんか?」 「あいつ、無駄に能力値が高いから、それでかも」 「スゲェ執着心だな。このままキレイに諦めてくれるのか、あいつ」 「仮にストーカーになったとしても、ガチでケンカしたら俺の方が強いから、大丈夫じゃないかな……」 「何か、スゲェ心配。やっぱりお前、うちに住めよ」 「う~ん……」 「どうせ行く場所ないんだろ?」 このまま大城と一緒にいるとなぁ……別の問題が起こりそうと言うか……。 頭を抱えて悩む俺の頭を大きな手が撫でる。 「面倒な事は後で考えればいいんだよ」 とりあえず、のんびり行こう――と優しい笑顔がそう言った。
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コメント
10件のコメント ▼

なんて優しくてかっこいい受けなんでしょう!! ハート&リアクション連打でございます!! 短編だというのに映画を一本見たかのような充実感があります。 二人が今後、笑顔で仕事をしているのを思い浮かべるととっても幸せな気持ちになります^^ 沖縄に住みたくなっちゃうくらい素敵なお話でした!!ありがとうございます!!

ダンチマンさま 文字数の関係で色々削り、言葉足らずな話ですが、映画一本分とか言って頂けて感動です。 2人が笑顔を浮かべて仕事(生活)をする場面もかけたら良かったらですが、文字と時間の関係で…… ダンチマンさんが思い浮べて下さっているので、2人は幸せになっていますね

イメ 4時間前 初めましてイメでございます。 拝読させて頂きました。 勝治は就職・涼太はフリーター 立場は違えどずっと対等でいられると信じていた涼太。 彼の負担になりたくなくてバイトに励む涼太。 彼を支えたくて、家の事を率先してこなした涼太。 彼が好きだから、彼が以前の様に戻ってくれると信じていたからDVにも耐えた。 彼の元を離れたのは、支えてあげられなかったから。 最初は勝司のDVに耐え切れず沖縄へと逃げたのかなぁと思いましたが、読み進めていくに連れ涼太の真意が伝わって来て泣きました。 マジ泣きしました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) 大城と出逢えて本当に良かった😭✨ 素敵な作品をありがとうございます💕 長文失礼致しました💦 御容赦下さいまし〜〜😆✨

初めまして。 「ゆっくり…」を読んで頂き有難う御座います。 サマコンにこんな題材をぶつけてしまい、やっちまったと思っていたので、良かったとコメント頂けて嬉しいです。 しかも涼太の気持ちを深く追って頂いたようで、ありがとうございます。 イメさんに少しでも刺さったようで、文字書きとして嬉しいです。

ラストは、沖縄のゆったりと時間が流れる地でこれからの事はまた考えれば良いと彼の前向きで明るい未来が想像できてとても良かったです。 大城とこれからどうなるんだろうと期待を持てる終わり方も好きです。 ありがとうございました😊

大城はノンケという設定なんで、涼太には頑張れの一言です( ´艸`) 好きと言って頂きありがとうございます

どちらも男前で、ラストは夏の沖縄らしくスカッとしました。 面倒なことは後で考えればいいですね~。一緒に住んでしまってから考えればいい! 素敵なお話でした。

読んで下さって有り難う御座います。 考えると動けなくなってしまうので、取り合えず、涼太は大城に流されておけばいいというお話です(笑) 一緒に住めばラッキースケベイベントも発生するかもですしね。 コメントを有難う御座いました。

ああああ、男前!! カッコイイなあ涼太くん!! ひおさんのお話は胸にささります。そして、沖縄!! きっと新しい恋を始められるかと!

怜悧さん 読んで下さってありがとうございます! しかもコメントまで頂けて嬉しいです 何か、強い漢が受けという性癖がここでも出てしまいました(笑) 少しでも怜悧さんに刺さって良かったです 新しい恋はきっと始まるんじゃないですかね( ´艸`)

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