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第42話
「陽向の中、凄く気持ちいいよ。あったかいものに全体を包まれて、陽向に抱き締められてるみたい。気を緩めると、すぐ達っちゃいそうだ」
「だめ。もうちょっとここにいて」
もう、なんてこと言うんだ、このバンビは。
「だって、やっと一つになれたんだよ?わっ、ああっ、ちょっと、ビクビクって」
「馴染むまで大人しくしておこうと思ってたのに、陽向が煽るから。・・・陽向、これから二人で溶け合って混じり合って、もっと一つになろう」
「うん・・・ねえ、征治さん、もう一回キスして・・・」
ここまで繋がっていながら、まだモジモジと恥ずかしそうにキスをねだる。
「もう一回だけじゃない、いっぱいする」
クスっと笑いを零したその唇を食む。今日の俺はどうも食べたい衝動に振り回されている。
甘噛みしていた下唇を離し、言った。
「陽向、もう俺と陽向の間に恥ずかしい事なんて何もないだろ?ここで陽向が言う事も見せる姿も知っているのは俺だけだ。どんな陽向だって俺は好きだから、全部見せて自由になりな」
そうは言っても元来の恥ずかしがり屋なところはそのままだろうけど。
微笑んで頷いた陽向が両手で俺の頬を包む。
「雄は吐くほど大嫌いだったはずなのに。征治さんが見せる雄の顔には頭も体もビリビリ痺れるんだ。僕を欲しがってくれると嬉しくてすごく興奮する。だから征治さんももう我慢しないで。いっぱい雄の顔、見せて」
その言葉は、欲望に火をつけるのに十分な威力を持っていた。
陽向の中で自分のものが一層充溢したのがわかった。
「あっ」
それを陽向も感じたのか、反射のように中がひくつき俺の分身を刺激する。快感を求めるスイッチが押された。
噛みつくようなキスを仕掛ける。赤い唇を食み、口内を深く深く抉る。上顎を固くした舌で擦り歯列をなぞる。陽向の舌を引きずり出し、噛み、吸い上げ、己の舌と絡み合わせた。
「んふっ・・・んんんっ」
懸命に応えようとする陽向からは甘さと苦しさの混じったような息が漏れ、それが更に俺を興奮させる。
溢れる互いの唾液を、子鹿が乳を一心に飲むように嚥下する様子に、陽向の中へ別のものも注ぎ込みたい欲求がむくむくと湧きあがった。
ようやく唇を解放し身を起こせば、息を荒くして、色を孕んで潤んだ瞳に上気した顔。濡れた唇が妖艶さを添えている。下半身にぐっと熱が集まる。
陽向のすんなりした脚を撫で、両の膝裏を抱え持ち上げた。
深く埋まっている屹立をゆっくりと引き抜く。抜け落ちる寸前のところまで引き出したそれにボトルからジェルを垂らし、もう一度じっくりと味わいながら陽向の中へ侵入していく。熱く纏わりつく内壁が得も言われぬ快感を呼ぶ。
「ああ・・・」
陽向が悩まし気な声をあげる。
ゆっくりと大きなストロークを繰り返し、動きが滑らかになってきたところで、浅いところにある陽向のポイントを攻めるように突いた。
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