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第131話
「んふっ・・・あふっ・・・」
酸欠を起こしそうな濃厚なキスを仕掛けながら、征治さんの大きな手が僕の体をまさぐり始める。
腰から脇腹に沿ってじわじわと這い上がって来た手は敏感な乳首を捏ね、首筋を撫でまわし、横抱きにした僕のうなじへ回る。
タトゥーのあるあたりを暫くさわさわと撫でた後、頸椎から背骨に沿って、一つ一つ確認するようにゆっくりと辿っていく。
背中ってこんなに感じる場所だった?
「んん・・・んっ」
びくっびくっと体が勝手に振れる度に、もうすっかり勃ち上がっている僕の中心が征治さんの腹に擦れてまた感じてしまう。
とうとう尾てい骨までたどり着いた指が、暫くそこに留まってくるくると円を描いている。
きっとその先へ進んで、解されるんだ。征治さんの指が入ってきて中を探られる感触を思い出して身震いする。触れられるのを期待して僕の後孔がはしたなくヒクついているのを自覚した。
だが、征治さんの指は進行方向を変え、尻の丸みを手の平でゆっくり撫で、揉みしだき始めた。そしてわざとなのか時折指先が際どいところを掠めてゆく。
ようやく長いキスから解放され、酸素を取り込む。
「ぷはっ・・・はぁはぁ・・・、あ、っ」
もう熱が溜まり始めているのに焦れったくて、征治さんにしがみ付く。
「あ・・・ああ・・・」
「ねえ、おねだりしないの?」
ああ、もどかしいと思ったら、やっぱり焦らしてるんだ。
だけど、そんな、何て言えばいいんだ?
僕が躊躇っているとまた後孔の際を指先が掠めてゆく。
「あ・・・」
「ねえ?」
色っぽい声で征治さんが囁く。
「さ・・・」
「ん?」
「・・・触って」
やっと言ったのに、わざとのんびりした口調で「どこを?」なんて聞き返してくる征治さんは意地が悪い。
「う・・・」
なかなか口に出せずにいると、悪戯っぽい声で「もしかして、ここ?」と言いながら、指先で蕾をそうっと撫でた。
「ひゃぅっ」
変な声が出てしまって慌てて口を押さえる。
「教えてくれないと分かんないな。ここ、さっきから随分ヒクヒクしてるみたいなんだけど、違うのかなぁ」
また、そっと撫でられ、体がビクンと跳ねる。
クスっと笑われ、涙目で睨むと、あっという間にぐるんと体を返され、気が付けば四つん這いにさせられていた。
「ああ陽向・・・この姿も凄く綺麗だ・・・」
征治さんの両手が首筋から背中、尻にかけて肌触りを確かめる様に撫でていく。
背後から覆いかぶさって一度きゅっと抱き締めると「俺の印」と言って、タトゥーにキスをした。
そして先ほど指が辿ったように、唇が背骨の一つ一つを確認するように降りてゆく。
征治さんの前で初めて取らされた獣のような姿勢と、両脇を手で愛撫されながら背中に口付けられ、ぞわぞわ這い上がって来る快感に、僕のものはまた触れられる前から、トロトロと淫液を垂らしている。
ああ、こんなに零したらシーツが・・・と一瞬気を取られたとき、不意打ちをくらった。
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