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第41話

「なんだ?……ちょっと出てくる」 仁川は立ち上がり、乱暴な音に眉を寄せながら部屋の扉を開きにいった。 インターフォンが一応ついているのだから、そちらを押すべきなのだろう。 紅茶に口をつけると、久我がぼんやりと俺を見ているので、別にもう怒ってはいないと告げた。 「大介、無事か!?」 バタバタと慌ただしく部屋に駆け込んできたのは駒ケ谷だった。 「ああ、どうした?」 「蜂屋が戻ってきてないから」 ハァハァと荒い呼吸をついて、部屋に入ってきた駒ケ谷は、久我を見て表情を固くした。 「あ、ゴメン。LIN〇入れれば良かったね」 焦って蜂屋は駒ケ谷に謝る。 「何故、久我さん……」 「謝罪をしたいというから、お茶に誘ったんだ」 正直に駒ケ谷に告げると、駒ケ谷は戸惑いながら俺を見返す。正直、反応に困っているのだろう。 「……僕は間違いをしていたのでね。田中君を本当に大切に思う気持ちが足りなかった。誠意を見せて彼に気持ちを伝えていくつもりだよ」 「はあ……。でも、久我さん。オレの方が大介を大事に思ってますよ」 駒ケ谷は拳を握ると俺をじっとみる。 「待て、それは俺の方が1番そう思っている」 仁川が戻りぎわ開口1番そう告げる。 これは堂々巡りの話になると思うが、要は3人とも何故か俺に好意があるということなのだろう。 別に悪い気はしないのだが、何だか居心地が悪い気がする。 「そんなに押し付けたら、大介は困るんじゃないか。なんなら、俺のところにくるか?」 いつからいたのか、駒ケ谷の後ろにいたらしい、沢崎が場を引っ掻きまわすように告げる。 「え!!!」 「やめてくれ、ワタル……!アンタまで参戦したら、ホントに勝機なくなる」 仁川は沢崎の肩を掴んでぐらぐら揺らす。 ざわつく3人とニヤニヤしている沢崎を見上げて、俺は肩を落とす。 「そんな言われてもどうしていいか」 「それは大介次第だろ。学園では、ちょっとそういう雰囲気があるのはあるからね。駄目なら断ればいいんだよ」 優しい口調で告げると沢崎の言葉に救われて、俺は強く頷いた。 学園に転校してきて3週間あまり、集約された時間に色々なことが起こりすぎて対応がまだできないところだらけだ。 「言いたいことは言うし、格好も好きな格好でいさせてもらう。それでも、いいならこれからのことも考えてみるよ」 視野にはいれる。 身体がどうしようもなくなることも合わせて。 これから、1年半の期間で自分の気持ちも何か変わるかもしれない。 人と人の繋がりの中で、何かが変わることもある。 沢崎にぽんと肩を叩かれて振り返ると、 「じゃあ、まずは、全国高校サッカー選手権に向けて練習だな!」 と、満面の笑みを浮かべて親指を立てられ、俺は思わず強く頷いていた。 これが、始まりのコネクト!! 【END】

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