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第5話
誕生日の日。
建人に渡された、お揃いの指環。
「仕事終わってから、どういうのがいいのか探しててさ」
「それで」
照れたように笑う建人。
凝り性の奴がああでもない、こうでもないと、散々迷ってる様が容易に想像できる。
「驚かせたいから、相談できないし。
……いろいろ考えさせて悪かった」
「いいよ、別に。
……というか、いいのか?
こんな指環したら今度こそ彼女たち、本気にして気持ち悪がるぞ、きっと」
薬指に嵌まった指環は嬉しいものの。
やはりそういうのは気になるというか……。
「別にいいんじゃね?
彼女たちに嫌われたって、俺もおまえもなにかが変わるわけじゃなし」
「そういうもんですが」
自信満々に笑う建人にため息が落ちる。
……まあ、この先なにがあっても。
建人と一緒なら、乗り越えられるとは思うけど。
【終】
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