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第3話
「ひぁっ、あぁっ、や、いや、」
「嫌じゃないだろ、イイって言え」
「めいれっ、すんな!あ…っ」
男である自分を恥じたのは、生まれてはじめてだった。
男だと、感じていることが一目瞭然なのである。
濡れそぼったその証拠を大きな手の平で擦られ、液体と乾いた手の摩擦でぐちぐちと鳴るのを羞恥で頬を染めながら皇は耐えていた。
「っ後ろだけじゃイケねぇだろうからよ、触ってやってっけど、バキバキじゃん、お前」
「ぶっ殺すぞ…っああぁ、んっ」
「イイんだろっ、素直じゃねーな、俺もイイぜ…昴流」
「~っ!!まこ、お前もうやだ、マジでっ……!」
激しく打つ腰の速度が、上がってきている。
皇は声を出すまいと唇を噛んだが、すぐに信の長い指が伸びてきてそれを解かれる。声を我慢するな、と信が命令するのに従ってしまって、自分が自分でわからなくなってきた。
肉と肉のぶつかる激しい音に、あー俺ブチ込まれてんだなぁなんて思ってしまって、もっと感じたりなんかしていない。絶対にない。
昴流、とまるで恋人を呼ぶような信の艶のある囁きに、喜んでなど断じていない。
「あー俺ホントにイくわ、昴流、昴流」
「お前っ…ほん、とにぃっ、感じて、の…?」
さっきから口ではいくいく五月蝿いが、信は一向に達しない。
顔色ひとつ変えないし、変化といえば少しだけ息が荒くなったことと、こめかみから一筋汗が伝っていることくらいだろうか。
俺はこんな情けねぇ姿さらしてんのに、という皇の不満が伝わったのか、信はふっと笑って言った。
「俺、男はお前が初めてなんだ。
んで、お前が相手でよかったって、思ってるよ。
答えになってるか?」
「───こ、の…んんっ」
苦しい体勢ではあったが、信に口付けられた。
上顎から歯茎から、ざらついた舌でなぞる技術は、自分のそれを上回っている。
皇は苦い気持ちで信のキスを受けた。
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