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最終話
「光とは……なんですか?」
「ルビーとサファイアは元々は同じ石から出来ている。それに、この二つは同じ光り方をする」
そう言って、俺の瞳を見てみろと距離が近くなったルベウスの瞳を覗き込む。
「星型に光っているのがわかるか?」
「なんと……なく」
「この星型に光る光り方はルビーとサファイアだけなんだ。だからその言い伝えから、同じ瞳の色同士よりも遥かに強い繋がりを持つのはルビーとサファイアの色の瞳を持つ者。そして、その光り方が同じ者が運命の人となり、生涯の伴侶となる」
「それって……」
「俺たちのことだ……」
そんな……
じゃあ、あの夢は僕を導いていたと言うのか……
「サピルス、もう一度聞く。おまえにとって俺はどんな存在だ?」
「ルベウス様は……」
「様など付けなくていい……いつもあの部屋で呼ぶように呼べ」
ルベウスの言うことが本当だとしても、でも……
「でも……」
「何を恐れているんだ、サピルス」
「僕にそれだけの価値があるとは思えない」
ましてや、これから魔王になる御方なのに……
「価値?価値を決めるのはこの俺だ。俺を誰だと思っているんだ」
相変わらずの傲慢さでそう自信ありげに言うルベウスに心が揺れ、視界が一瞬にして滲んだ。
「サピルス……早く」
そして、一生言うことは叶わないと思っていた想い。
それを今、口にする────
「ずっと……ルベウスのことが……好きだった……」
「やっと言ったな、泣き虫」
そうルベウスが優しく微笑みながら呟くと、僕の頬にその手で触れ、流れ落ちる青い涙を拭いそのまま触れるだけの口付けをした。
「俺も好きだ。サピルスにこの言葉を伝える時をずっと待っていた────愛してる、これからもずっと俺の隣にいて欲しい……」
『 同じ星の光をもつ者こそが定めし運命の人。その者こそが生涯を共にする伴侶となるだろう────』
END
*次のページの後日談へと続く……
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