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第6話

「……ルベウス様お時間です」 「わかった」 正午ぴったり、ルベウスの成人の儀が始まる。 あと僅かで正午。 いつも通り身支度を整える手伝いをしてその時を待つ。 「……ここ襟元少し曲がってます」 「だったらさっさと直せよ」 息が触れるほどの距離まで近付き、いつも通りに乱れを直す。 「いつもここが曲がるんですね」 「どうせお前が直してくれるからいつも適当なんだよ」 いつも……と言う言葉に心が乱される。 これからは自分がではなく、ルベウスの妃になる御方がその立場になるのだろう。 だから、こうしてお手伝い出来るのも今日が最後…… 目の前でこの手で触れているのに、心は届かない。 受け入れたつもりでもどうしても苦しさが溢れてきてしまう。 だけど、そんな胸の苦しさを必死に閉じ込めルベウスへ小さく笑いかけながら、襟を正す。 いたっていつも通りだ。 何も問題なく送り出すことが出来る·····と、暗示をかけるように逸らした視線の先でルベウスと目が合った。 「サピルス……おまえに一つ聞きたいことがある」 「……はい、なんでしょうか」 「おまえにとって俺はどんな存在だった」 すると急に真剣な表情になったルベウスが妙なことを聞いてきた。 「仰ってる意味がわかりません」 「身寄りの無いおまえを街で拾い名を授け、今日まで傍に置いた。魔族ではないおまえを俺の1番近くに置いていたことに意味がないとでも思っているのか?」 そしてそのまま吸い込まれそうなその瞳で僕を捉え、ルベウスが言葉を続ける。 「おまえの瞳の色……サファイアだよな」 「それが……何か」 「俺の瞳の色はルビーだ」 ルビーとサファイアだからどうしたと言うのか。 「それがどうかしましたか」 「俺が成人になり魔王になる時、俺たちの本当の繋がりが明らかになる」 「本当の繋がり?」 魔族のルベウスとそうじゃない僕との間に何かが存在するはずがない。 決して相容れない関係なのは一生変わらない。 だから、そんな僕達になんの繋がりがあるというのか…… 「俺が魔王になり妃を迎え入れる時、その妃となる者は同じ瞳の色を持つ者と決められている」 「知ってます。だから、ルベウス様は同じ瞳の色を持つ方を妃へと……」 「だけどそれはちょっと違う」 「違う?」 「同じ瞳の色とは別にそれ以上強い繋がりを持つ者が存在する。ただ、その者に出会う確率も遥かに低い。無数の星の中からその者に出会い、その光を見分けることが出来るだけの魔力を備えていなければ無理だ。だけど、俺は運がよかった……おまえと出会えのだから」 ルベウスが言う光とは……

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