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熱 5★
「これでいいの?」
ベッドに仰向けに寝て聞くと、テディはうなずいた。
そうしてテディは俺の足を少し開かせると、俺の後孔に触れた。
「あっ……」
テディの指はさっき俺がテディの手に出したもので濡れていて、すんなりと俺の中に入り込む。
そっか、男同士だからそこを使うんだ。
テディが俺と繋がるために、俺の後孔の準備をしているのだということを、俺はごく当たり前のように受け入れる。
自分の後孔が性器になるのだと理解したせいなのか、俺はいつの間にか中でも感じられるようになっていた。
中が傷付かないように気遣いながら丁寧に押し広げているテディの指の動きに、俺は切ない声をあげる。
「やぁっ…」
2、3本は入っていた指がいきなり抜かれて、俺は物足りなさに思わず不満げな声をあげる。
けれども物足りないと感じたのは、ごく短い間だけだった。
すぐにテディが俺におおいかぶさってきて、指よりもずっと確かな質量のあるモノが俺の後孔に押し当てられる。
テディが、俺の中にゆっくりと入ってくる。
あんなところにあんなに大きなモノがねじ込まれているのに、まったく痛みを感じない。
それどころか、中をテディの固くなったモノでこすられていく感触が気持ちよくてたまらない。
テディはその大きなモノを俺の中に全部埋め切ると、ゆっくりと動き出した。
動くスピードや角度を変えつつ中をこすられ突かれて、俺の唇からは途切れることなく喘ぎ声が漏れ続ける。
ふとテディを見上げると、テディも感じているらしく、恍惚とした表情になっている。
その唇が小さく、繰り返し同じ言葉を繰り返すように動いているのに気付いて、俺は快感でぼんやりしている頭を必死に働かせて、その唇を読む。
『カズオ』と。
テディのその唇が『カズオ』と俺の名前を繰り返し呼んでいるのに気付いて、俺は胸が温かく柔らかいもので満たされていくのを感じる。
「テディ」
思わず俺もテディの名前を呼ぶと、テディはハッとした顔で俺を見て、それから子供みたいに無邪気な、ものすごくうれしそうな笑顔になった。
『カズオ』
テディはもう一度俺の名前を呼ぶと、再び俺の中で動き出した。
「あ、テディ……あ、んんっ、テディ……テディ……」
繰り返し名前を呼べば、テディも『カズオ』と俺の名前を唇の動きで繰り返す。
そのたびに俺の胸の中が温かいもので──それに名前をつけるなら、たぶん「幸せ」だ──満たされていく。
テディと名前を呼び合えることが、俺の中がテディで満たされていることが、テディが俺で気持ち良くなって俺がテディに気持ち良くしてもらっている、そのことが、幸せで、満たされていて。
「あ、あ、テディ────!」
そして俺は、満たされた気持ちの中でテディの名前を呼びながら達した。
それと同時にテディが俺の中から慌てた様子で抜け出し、俺の腹の上に白いものを吐き出したのを見て、なんだかちょっと残念な気持ちになりながら、俺は意識を手放した。
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