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告白 1

 目が覚めると朝だった。  あれ、俺なんでテディのベッドで寝てるんだ?  寝ぼけた頭に疑問が浮かんだが、すぐに自分が熱を出してテディのベッドを借りていたことを思い出した。  そのまま昨夜テディとの間にあったことまで一緒に思い出してしまい、俺は叫び暴れまわりたくなるような恥ずかしさに襲われる。  なにあれ!  なんでテディはいきなり俺にあんなことを……。  それに、俺もなんであんなこと普通に受け入れてるんだよ……!  実際あの時の俺は普通に受け入れるどころか、テディに抱かれることを喜んでさえいたのだ。  彼女がいたことはないけれど、片思いの相手も自分でする時のオカズも女の子で、男に抱かれるなんて想像すらしたことのなかった俺が、どうしてテディとセックスすることになってしまったのか、自分でもさっぱりわけがわからない。  俺がベッドの中で悩んでいると、俺が起きたことに気付いたのか、台所からテディがやってきた。 「お、おはよう」  昨日あんなことをした相手と顔を合わせるのが恥ずかしくて、テディから微妙に視線をそらしつつあいさつをすると、テディは心配そうな顔で俺のおでこに手を当てた。 「あれ? 俺、熱下がってる?」  悩んでいたせいで意識していなかったが、昨夜まであれほど高かった熱が、今はすっかり下がっている。  めまいもしないし頭もぼんやりしていないので、完全に治ったようだ。  昨日まであんなに(つら)かったのに、一晩寝ただけですっきり治るなんて不思議だなと思っていると、俺のおでこに手を当てていたテディがほっとしたような表情になって、それからいきなり床に正座をすると昨夜と同じように見事な土下座をしてみせた。 「ちょっ、やめてよ、テディ!」  昨日は土下座したテディを止めようとしても熱でうまく体が動かなかったが、今朝はもう思うように体が動かせるようになっていたので、俺はベッドから降りてテディの頭を上げさせようとテディの肩を押した。  けれども俺よりもはるかに大きくて力も強いテディの体は、俺がちょっと押したくらいじゃビクともしない。 「テディ、ほんと、やめてよ。  こっちではどうか知らないけど、俺がいた世界だとその土下座って本当に悪いことした時に謝る時くらいしかやらなくて、一生に一度あるかないかくらいの謝り方なんだよ。  俺、テディにそこまで謝られるようなことされてないから」  テディが今こうして土下座し、昨夜も同じように土下座していた理由は、今ならもうわかる。  昨夜のテディは俺を抱くことを謝り、そして今は抱いたことを改めて謝ってくれているのだ。  確かに、他のやつにあんなことをされたら、土下座されても絶対に許せないと思う。  けれどもそれがテディの場合、許せる許せないという前に、あんなことをしたのには何か理由があったんじゃないかということを考えてしまうのだ。  テディが自分の欲望だけで理由もなく俺にあんなことをするようなやつじゃないってことは、短い間だけれどテディと一緒に暮らしてきた俺にはよくわかっている。

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