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告白 4

「テディが正直に言ってくれたから俺も正直に言うけど、俺が最初テディに好感を持ったのは、申し訳ないんだけど、テディが話すことができないからだったんだ。  実は俺、人の声が怖くってさ」  そうして俺は自分が声に対する恐怖症であることや、その原因となった元の世界での出来事などを一通り説明した。 「昨日震えてたのも、両親や友達の声の幻聴が聞こえてて怖かったからなんだ。  だから、昨日テディが助けてくれて、本当に助かった。  改めてお礼を言うね。ありがとう」  俺がぺこりと頭を下げると、テディも同じように頭を下げる。 「えっと、そういうわけで、最初のうちは、テディが話せなくて、その上、他に人がいなくて静かなこの家に俺のことを置いてくれた恩人だったから、テディに好感を持ってたんだ。  けど、そのうちにテディがしゃべれないってこととは関係なしにテディのことをいいヤツだなって思うようになったし、テディと一緒に暮らすのが楽しいって思うようになったし。  それに最近は、テディがしゃべれたらいいのに、そうしたらテディが俺に伝えたいことがもっとちゃんとわかるのにって思うようになったくらいなんだ。  俺、人の声が怖いのに、テディとはしゃべりたいって思うし、テディの声だったらきっと怖くないって思えるんだよ。  それって、やっぱりテディのことが好きってことなんじゃないかと思うんだけど」  自分なりに今の気持ちを説明してみたけど、俺自身がはっきり好きだと言い切れないこともあって、テディの方も『信じてもいいのかな、でもやっぱり病気の影響かもしれないし』とでもいうような、不安そうな顔をしている。  ……やっぱり、俺自身がちゃんとテディが好きだって言い切れるようにならないとだめだよな。  そのために俺は、少しだけ勇気を出してみることにする。 「テディ」  名前を呼ぶと、テディはこちらを向いた。  その肩につかまって少し腰を浮かせると、俺はテディの唇に自分のそれを重ねる。  昨夜とは違って俺の熱が下がっているから、俺のと同じくらいのテディの体温と、昨夜と同じくらいの唇の柔らかさとひげのごわごわした感触が伝わってくる。  自分からするキスは無性に照れくさかった。  それでも、唇でテディに触れていると、胸の中が温かいもので満たされていくのがわかる。  自分なりに納得した俺は、テディから唇を離して、浮かせていた腰をベッドにおろした。  テディは相当驚いたようで、目を丸くして俺を見ている。 「いきなりごめんね。  けど、今のでちゃんとわかったよ。  俺もうあの病気は治ってるけど、テディにキスしたらやっぱり嬉しいって思ったし、幸せな気持ちになれた。  俺、『たぶん』じゃなくて、テディのことがちゃんと好きだよ」  俺がそう言うと、テディはさらに驚いた顔になり、それから俺の言葉を噛みしめているような表情になり、そして徐々に笑顔になったかと思うと、大きくうなずいた。

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