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告白 3
「……『好きだから』って、そう言ったの?」
唇の動きを読み違えたんじゃないかと不安になって、おそるおそる確認してみると、テディは真剣な顔でうなずいた。
『カズオが好きだから、したいと思った。
助けたい以上に、好きだから、したかった。
ごめんなさい』
俺がテディの唇の動きを読み取るのを待って、テディは土下座まではいかないが、また深々と頭を下げた。
「だから謝らなくてもいいって!」
テディを止めながら、俺はじわじわと顔が熱くなるのを感じていた。
テディが俺のことを好き、だって?
抱きたいって思うくらいに?
そう意識すると、恥ずかしいような照れ臭いような感じで、胸がムズムズする。
テディが俺のことをそんなふうに思っていたと知って驚きはしたが、決して嫌な気分ではなく、むしろうれしいと感じる。
ああ、これって、そういうことなんだろうな。
ようやく自覚した想いを、俺は口にする。
「謝らなくていいよ。
俺も、テディのこと、好き、みたいだから」
たぶん今、耳まで真っ赤になってるだろうなと思いながらそう言うと、テディは驚いた様子でばっと顔を上げた。
「その、俺も今自覚したばっかりだから、まだ確実に好きって言い切れないんだけど、たぶん間違いないと思う。
テディに好きって言ってもらえてうれしかったし、それに昨夜だってああいうことされてる間、幸せだって思ってたから」
俺がそう言うと、テディはそれは違うというように首を横に振った。
「信じてくれないの?
それはもしかして、俺が病気だったから?
たしかにあの時、体が気持ちいいって感じたのはいつもの自分じゃない感じだったから病気のせいだった気がするけど、でも幸せだとかうれしいって思ったのは俺自身の気持ちで、病気とは関係ない気がするんだけど」
俺の説明に、テディは微妙な表情で軽く首を傾げる。
俺が幸せだと感じたのが病気によるものなのかどうかは、テディにもよくわからないらしい。
「それにね、こうなるまで気付かなかったけど、俺たぶん前からテディのこと、好きだったと思う。
えっと、ちゃんと説明するから一回座ってもらっていい?」
俺の言葉にテディがうなずいたので、俺たちはベッドに並んで腰掛けた。
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