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恋人同士 3
テディが俺の中で出したので、後始末が結構大変だった。
テディは申し訳なさそうに何度も『ごめん』と謝っている。
「もういいって。
俺も、その、うれしかったし。
けど後が大変だから、中で出すのは時々にしておこうな」
俺の言葉に、テディは神妙な顔でうなずいている。
後始末を終えて寝巻きを着ると、俺たちは2人一緒にテディのベッドに入った。
テディの大きな体に正面から抱きついていると、その温もりがなんとも心地いい。
「なあ、テディ。
明日からも一緒に寝てもいい?
こうやって一緒に寝るの、気持ちがいいから、ああいうことしない日も一緒に寝られたらいいなって思って」
テディの顔を見上げながら尋ねてみると、テディは微笑みながらうなずいてくれた。
「やった。
ありがとう、テディ」
礼を言って、ぎゅっと抱きついてテディの胸に顔を埋めると、テディは俺の頭を優しく撫でてくれた。
それがまた、なんとも心地よくて安心できて、俺はすぐに眠ってしまった。
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翌朝、明るくなって互いの顔がはっきり見えるようになってから同じベッドで目覚めるのは、ちょっと照れくさかったけれど、それでも普通に「おはよう」とあいさつを交わして起き出した。
俺と入れ替わりで井戸に顔を洗いに行ったテディが、今日に限ってやけに時間がかかっているから変だなとは思っていたのだが、やっと戻ってきたテディを見て、俺は驚きの声をあげた。
「テディ!
ひげ、どうしたんだよ!」
井戸から戻ってきたテディは、なんとあのもじゃもじゃのひげを綺麗さっぱり剃り落として、つるつるのあごになっていた。
ちょっと首をかしげて『似合わないかな?』とでも言いたげなテディは、ひげがないだけで別人のようだ。
「あ……もしかして、昨日俺がテディのひげをくすぐったがってたから剃ってくれたの?
なんかごめん……」
テディがいいなりひげを剃ってしまったのは、タイミング的にどう考えても、俺が乳首を口に含まれた時にくすぐったがったからだろう。
テディのひげはもじゃもじゃであまり手入れされてない感じだったけど、それでもあれだけ伸ばすのには時間がかかったはずなので、剃らせてしまって申し訳なく思う。
俺が謝るとテディは『気にするな』というように、ひらひらと手を振った。
「そう? だったらいいんだけど。
あ、けどテディ、ひげがない方がかっこいいかも?」
今までテディの顔を見ると、つい目立つひげに目がいってしまって、その顔立ち自体をあまり気にしたことがなかったけれど、こうしてひげがなくなってみると意外に整った顔立ちをしていることに気付く。
日本風に言えばワイルド系イケメンという感じだけど、笑った時のちょっとかわいい顔や時折見せる優しい目は多分ひげを剃っても変わらないだろうから、そういうギャップもあっていいんじゃないかと思う。
「うん、俺、前のテディも好きだったけど、今のひげのないテディも好きだよ」
俺がそう言うと、テディは照れたように笑った。
その笑顔はやっぱり、ひげのないと同じようにちょっとかわいかった。
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