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テディの正体 2

「それで?  君がなんだっていうの?」  男に問いかけられて、俺は我に返る。 「あ、ああ。  それはあの人が悪いんじゃなくて、俺のせいなんだ。  異世界人は見つかったら閉じ込められるし、大事にされるけど嫌な目にもあうって聞いたから、俺があの家に置いて欲しいって頼んだから」 「普通は異世界人に頼まれたからといって、国の命令を無視したりはしないものだけどね。  それにわざわざ君に嫌な目にあうなんて嘘を吹き込むなんて」 「……あの人は俺に嘘を言ったりしない」 「へえ、ずいぶんとあいつの肩を持つんだね。  まあ、今日会ったばかりの俺よりもあいつのことを信じたくなる気持ちもわからなくないけど……、ああ、そうか。  嫌な目って、あれのことか」 「何だよ、あれって」 「なに、大したことじゃないよ。  君、この世界に来てから『発作』が起こったことはないかい?  5日から10日ほど高熱が続くってやつなんだけど」  男の言葉に俺はどきっとしてしまう。  男が言っているのは異世界人特有だというあの病気のことだろう。  その病気には不定期にかかるらしく、実は数日前にも高熱が出て、治療のためにテディに抱いてもらったばかりだった。 「……あるけど」 「うん、その発作なんだけどね、実は異世界人に発作が起こっている時に魔術師がその異世界人を抱くと、魔術師の魔力が高まるんだ。  だから異世界人に発作が起こると、魔術師が順番に抱くことになっているから、それを嫌がっている異世界人が多少いることは確かだね」 「えっ……」  男の言葉に俺は青くなる。  それじゃあ、ここにいる限り、発作が起こるたびにテディ以外の男に抱かれなければいけないというのか。 「まあ、そうは言っても嫌がる異世界人はほんの少しだよ。  魔術師に抱かれれば高熱もすぐ下がって体が楽になるし、それに発作の時は性的に感じやすくなっていて男に抱かれるのがすごく気持ちいいらしいから、むしろ魔術師に抱かれるのをありがたがっている異世界人がほとんどだ。  どちらかと言えば苦痛なのは、男なんかを抱かなければならない魔術師の方だな。  どういうわけか、異世界人も魔術師も男しかいないんだよね。  まあ、魔力を高めるためには仕方ないから、興奮剤を飲んで無理にでも勃たせて抱くしかないんだけど」  男の言葉に、俺はさらに青くなる。  発作の最中のいつもと違う精神状態で、テディ以外の魔術師に抱かれて気持ちいいと感じてしまう自分を想像すると、心底ぞっとする。  そんなの、絶対に嫌だ。  これは何としてでも、次の発作が起こる前にここから逃げ出さないと。  でも、どうすれば……。  俺が悩んでいたその時、突然部屋の外から聞き覚えのある歌が聞こえてきた。

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