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情交
自分から口づけをしてきてくれた悠の頬を両手で包むように抑え、春翔は唇の自由を取り戻す。
「悠さん、本気なの?」
「春翔、ちゃんとベッド行こう。床の上とかやっぱり思い出すから」
「悠さん、そんな無理しないで」
悠は春翔の制止に返答せず、ベッドサイドに腰掛けると、自ら上下ともに脱ぐ。
白い肌の裸身を晒し、悠は恥ずかしげに頬を朱に染めて俯向く。震える声を必死に抑える様に言葉を紡いだ。
「…無理しなきゃ、変われない。俺は春翔に抱かれたい」
裸身の悠を見て、覚悟の言葉を聞いて、抑えていたマグマのような激しく熱い劣情が、春翔の全身を駆け巡る。
春翔も乱暴に服をかなぐり捨てた。腕を伸ばし、悠の肩を掴むと同時に唇を重ねて舌を絡める。
「ん…」
息をつかせぬ勢いに、悠の手が無意識に春翔の胸を押し戻す。春翔は右手で自分を押し戻そうとする悠の腕を掴み、左手は背中に回してベッドに横たえる。口づけ、耳朶を甘噛みし首筋、肩と愛撫を施す。
悠は目を閉じ、自ら手の甲で口を押さえて、拒否の言葉を発してしまわない様に耐えている。
「悠さん、目を開けて。俺だよ、俺だから」
「春翔…」
「そう、俺だから」
何度も口づけ、愛撫を繰り返す。悠の胸に手を伸ばす。乳首を触れるか触れないかの優しい圧で撫で、それに悠が慣れた頃、摘み上げる。
「あ…」
身体を捩って避けようとする悠の肩を押さえて、今度は唇を乳首にあてる。
「いや…やめ、あっ」
どうしても恐怖が蘇り、堪えきれずに拒否の言葉を口にして、身を捩る悠の腕を両手でシーツに抑え込む。その上で乳首を嬲る。
『泣いても喚いても力づくで押さえ込んで』
悠が言った言葉とは言え、春翔自身もう制止されても、マグマの如きの熱情が優ってしまっている。
突起を舌で舐める。歯を立て軽く引っ張る。乳輪ごと口に含んで吸い上げると、悠の拒否の言葉に艶が入り込む。
「いや…あっああ…」
抑え込んでいた腕から手を離し、悠の頬に手を添え再び口づける。口内を犯しながら、耳朶や首へ口づけながら指先で乳首への愛撫を続ける。
「あ…あん…」
明らかに快感を拾い出している悠の声に、春翔は一層欲情に駆られる。
もっと、もっと、もっと感じさせたい。春翔は悠の中心に手を伸ばした。
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