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記憶2

「ビンタした事でなんか変なスイッチ入ったみたいで。SMみたいで興奮するって言って、拓は部屋から追い出されて、俺は脱がされて縛られた」 悠は一度言葉を切る。 「そっからもう容赦無くて…慣らしとかなくいきなり入れられて、意識飛びそうなくらいきつかった。それにあいつら、やっぱり10代の子どもなんだよ。体力余ったまま堪えないからイクのが早くて、その分次々交代して、結局三人とも…」 自分が喚いてしまいそうな怒りを抑え、春翔は黙って聞く。 「あいつ、高田は…元から暴力的な資質もあるのかな。他の二人がやってる時も上半身のそばにいて、キスされたと思ったらビンタしたり、他にも身体つねったり、噛んだり。ベルトをさ、半分ぐらい手に巻き付けて短く持って、胸とかもしばかれた」 「そんな事まで…」 「時間的にはそんなに長時間じゃなかった思うけど…辛かった」 春翔はあの時見た悠の胸付近が、酷く赤く腫れていたのを思い出す。 「悠さん、どうしてあの時高田達を殴るの止めたの?」 「あいつらも黙って殴られてないだろう。そしたら殴り合いになる」 「泉もいたし、俺は負けなかったよ」 「お前は強いと思う。でも怒りで歯止めきかなくなって今度は春翔が加害者になる。そんなの嫌だよ」 「悠さん…」 悠が春翔にもたれ掛かった。 「あいつらにはもう関わりたくない。それより…春翔、今も俺に手を出したいって思ってる?」 「うん、ごめんね悠さん。それはやっぱり思ってる。でも待つから。俺はもう悠さんだけだから、待ってる」 「待ってもらっても無理って分かったよ…3日後でも3ヶ月後でも、俺はきっと怖い。ずっと春翔に気を使わせてたし、今日は大概覚悟してるつもりだった。それなのにやっぱり途中で怖くなった。だから…」 悠が春翔の顔を見つめた。 「…だから?」 「だから、俺が待てとか嫌だとか言っても、そのまま続けて」 春翔は悠の言ってる意味がすぐには理解出来ない。 「…何言ってるの?」 「泣いても喚いても、力づくで押さえ込んで」 「そんなのレイプと一緒だよ。トラウマになる」 「もうトラウマになってるんだよ」 悠が自嘲気味に言う。 「だから春翔、どうせトラウマになるなら相手はお前がいい。さっきみたいに俺が制止しても、次は無視していいから」 悠は自分から春翔の首に抱きつき、唇を重ねる。

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