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朝焼けに飛び散る想い

ー蛍sideー 俺はポケットに手を突っ込んで、静かな大通りを歩いた 少し肌寒い もっと太陽が昇らなければ、身体が温まりそうにないや 俺の足音の他に、不規則に近づいてくる足音を耳に入れた 足音は2つ 2人の人間が、俺を追跡している 俺は肩からかけている鞄のポケットに手を入れると、小型のナイフを手に掴んだ 2つの足音は、確実に俺に近づいている 俺が知らない振りをして、建物の壁についてるポスターにふと足を止めれば、足音も止まる 歩き出せば、ついてくる これは確実に俺を狙っている 俺は細い路地でパッと曲がると、電柱の陰にさっと隠れた 『あ? ジュニアがいない?』 『どこに行った?』 『まさか…気付かれた?』 『いや、そんなことは…あのガキは父親がいないと何もできないくそ餓鬼だ』 はっ、言いたいことを言いやがって ちらっと、俺を探す男たちの姿を確認した 関口の手下だ 何度か、家で見かけたことがる いっつも俺を睨んで、俺を見下すような視線を送っていた 鞄の中からナイフを取り出そうとすると、白い腕がにょきっとあらわれて、俺の手首を掴んだ 「僕に任せて、ボス」 長身で青い瞳の男が、にこっと微笑んだ あ? 誰だ? 俺を『ボス』と言った? こんなヤツ、俺知らないけど… サイレンサー付き銃を腰から引き抜いた男が、にやっと口元を緩めると、俺の姿を探している男2人の息の根を止めた 2人に一発ずつ、脳天にぶちかました なんて正確な腕をしてやがる まるでライさんみたいだ 「ボス、殺ったよ。ご褒美が欲しい」 「はあ?」 俺が男の顔を見上げようとするなり、ぐっと腰を引き寄せられて、息もできないくらいの深いキスを無理やりさせられた なんて、無茶苦茶なヤツだっ しかもなんて馬鹿力なんだ! 抵抗する力が、びくともせずに、押さえ込まれるなんて 激しいキスを勝手に求められた俺は、見ず知らずの男に路地の壁に、追い詰められ、背中を打ちつけた 「はぁぅ」と、俺はキスの合間から、息が漏れた 色白で、腕なんて俺と大して変わらない太さなのに…いや、むしろ俺のほうが太そうなのに しっかりと抑えつけられている 「ボス、凄い綺麗だ。僕、我慢できないよ」 「何がっ」 「ボスが欲しい。ここでするよ。いいよね?」 「するな!」 よくわかんねえけど、即効で拒否の言葉を俺は叫んだ 何が我慢できない、だ! 勝手に盛ってんじゃねえっつうの 「ボスの答えは聞いてないよ」 「んじゃ、質問してんじゃねえよ! てか、離れろ」 「離れたら、ご褒美が貰えないから、ダーメ」 何が、『ダーメ』だ 可愛く言っても、お前が言ったら全然、可愛くねえんだよ ボスは俺なんだろ? なら俺の言うことを聞けよ ガチャガチャとベルトを外す音が聞こえる ああ? お前は外でヤル気なのか? なんてヤツだ …てか、俺はヤラれるのか? やめろ! 俺は受けるのは好きじゃねえ 俺は白人男のズボンの隙間から顔を出したヤツの塊に目を落とす …デカっ デカすぎだろ!  あり得ねえっつうの 俺は白人男の腕の中で、また暴れるが…何の効果もなく、俺のジーパンとパンツが地面に落とされる 「な…やめっ。俺を解放しろっ。外は嫌だ」 「外も興奮するよ?」 「しねえよ…てか、それを俺の中に入れるつもりか?」 俺は、白人男の股間を指でさした 白人男が、嬉しそうににっこりとほほ笑むと俺の足をがばっと広げた 「もちろん。ご褒美だからね」 「意味がわから…んんぅ、ああっ! いたっ…いてぇっつうの」 ぐぐっと、白人男の腰が俺に密着してくる 痛みが俺の全身を駆け巡る 「痛いなら、僕の背中に爪をたてて」 「ああっ、い…いてぇ。ぜってー、抱きつかねえ」 男のブツを受けれいるための施しも下準備もしてもらえずに、突っ込まれた俺の穴に、無理やり引き裂ける感触があった 瞬間、ヌルッと滑りが良くなり、白人男の塊が奥にずるっと侵入した 「あああぁぁっ」 痛みで、俺の背が反り返る 「ボス、血が出ちゃいましたね。いかにもバージンって感じで、興奮するなあ」 「馬鹿め。勝手に興奮してんじゃねえよ。こっちは痛いんだよっ」 俺は激しく腰を揺さぶる男の胸を、拳で殴った 白人男がくすっと笑うと、俺の唇を奪った 「ボス、僕から受けた痛みを覚えてて。僕に蹂躙であれば、僕は一生ボスを守り、ボスに快感を与える存在でいるから」 白人男が、俺の耳元で、熱のこもった息で囁いた 「僕に逆らっちゃいけないよ、ボス」 地を這うような低い声を最後に、俺の中を激しく擦る男の欲望を無視して、俺は意識を手放した ボスが、部下に逆らっちゃいけないってどういうことだよ 意味がわからねえ…

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