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終わりの見えない欲望
ー蛍sideー
意識がはっきりして、俺が瞼を持ち上げると、ベッドの中で横になっていた
天井が見慣れている
ここは俺の部屋だ
あの白人野郎が、運んでくれたのだろう
人のケツの穴にデカイ塊を突っ込んでおいて、今さら優しくされても、嬉しくもなんともねえけど
俺は寝返りを打ちながら横を向き、枕に顔を埋めた
「ボス、目が覚めた?」
耳元でそっと囁く声に、俺は「ああ?」と視線をあげた
俺のベッドで
俺と同じ布団の中にいる白人野郎が、にっこりと笑っていた
「なっ、何でここにいんだよっ!」
俺は布団を足で蹴り飛ばすと、ベッドから飛び出す
腰に全く力が入らずに、べしゃっと床の上ですっ転んだ
床が絨毯で覆われていて良かった…なんて思う自分を情けなく感じる
尻の穴から、どろっと白い液体と赤い液体が混じったモノが流れ出てくる
「なっ…あんた、気絶をした俺を無視してイキやがったのか!」
「一回だけ、ね。あともう一回やらないと、ご褒美にならないんだ」
「はあ? 意味不明。さっさと俺の部屋から出て行け」
白人野郎と目がすっと細くなると、ベッドの脇に置いてある拳銃を掴んで、俺の前にしゃがんだ
「僕さ。言ったよね? 僕に蹂躙であれば、ボスを守り、ボスに快感を与えるって」
白人野郎の拳銃の銃口が、俺のこめかみにぴたっとくっついた
冷たい感触が、俺の皮膚から伝わってくる
「そうだな。僕の言うことをちゃんと聞いてもらえるように、証拠を見せるべき? まずはライを殺す? いや…殺したら、詰まらないよね。植物人間くらいで止めておこうかな?」
「なに?」
「それとも、ボスの命令で智紀を殺したっていう事件でも起こそうかな? それもまたいいよね。ライと道元坂 恵の二人から、ボスが恨まれる。そしたら、ボスは僕に縋り付くしかなくなる。そういう状況に追い込むのも、また楽しいかも」
クスクスと肩を揺らして、すごく楽しそうに笑うヤツが、冷酷非道な男なのだと、心の底から感じた
ライさんとは比べ物にならない闇をこいつは持っている
俺がこいつに逆らったら、俺が大事にしているモノを一つ一つ壊していくんだ
んで、俺を相手から恨まれるように仕組むつもりでいる
確実に、こいつに俺が足を開くように俺を追い詰めて行くんだ
なんてヤツだ
こいつ、何を考えている
俺の何が欲しい?
「わかったよ。ヤルならベッドの上が良い」
白人男が、満足したようににっこりと笑う
こいつに、抵抗したら…ライさんたちの生活が壊される
ライさんの恋人になれなくても、ライさんが守りたい生活を、俺がささやかに守るくらい…いいよな?
俺は立ち上がると、足から白人男の精液を垂れ流しながら、ベッドに戻った
「ボス、僕のことはカイルと呼んで。ボスの可愛い声で、僕の名前を…」
「カイル」
俺がぼそっとベッドの上で呟くと、カイルが俺の上に乗る
「そう。もっと、甘い声で…僕の名前を呼んで。さあ足を開いて、僕を受け入れる準備は?」
俺は心の中で「ちっ」と舌打ちをしながら、足を大きく開き、カイルに見せた
「カイル」
「『ちょうだい』は? 欲しいよね? 僕のコレ」
欲しくねえよ、んなデカいもんを入れられたら、俺が殺される
細っこい身体のくせに、デカいんだよ!
なんつう身体をしてやがんだ
「カイル、ちょうだい」
満足した笑みを見せるカイルが、俺の穴に熱量を帯びた塊の先を押しこみ始めた
「ちょ…待って。痛いのは…」
「僕に『出て行け』と言ったお仕置きも兼ねているからね。快楽はまだあげられないよ、ボス」
ぐぐっとカイルの勃起したデカいものが侵入した
「ああぁぁっ!」と俺は叫びながら、枕を力いっぱい引っ掴んだ
「蛍、僕に掴まって。蛍が、掴まっていいのはこの僕だけ。僕以外のモノに頼るなんて許されないんだよ」
俺はこうなったら、カイルにも痛みを味あわせてやると、カイルの背中に手を回すと、爪を立てた
白い肌に俺の伸びた爪が突き刺さる
力の限り俺は、何度も何筋もの爪痕をカイルの背中に残してやった
引っ掛かれるたびに、カイルの腰の動きが増していく
「ああっ、あ、いた…い。カ…イ、ル、んあ、やめっ。もう、痛くて。どうにかなりそうだっ」
「どうにかなっていいよ。僕を感じて。僕だけが、こうやって蛍を乱れさせてあげるから。僕だけが、蛍の欲望を満たしてあげる」
もう少しでカイルが頂点に達するであろうという直前で、俺はまた意識を手放してしまった
次に意識を取り戻した時には、カイルの姿はどこにもなく、俺の枕もとには見慣れた顔のおっさんが二人、神妙な面持ちで立っていた
「お、お坊ちゃま! 大丈夫ですか?」
「は?」
何がどう大丈夫と聞かれているのか、わからない
身体が大丈夫か?と問われているなら、ケツが痛いと答える
どこか怪我をしているのかという大丈夫なら、怪我はしていない
まあ、ケツの皮膚は破れているんだろうけど
命を狙われて負った傷はない
精神的に大丈夫か?と質問されているなら、ぼろぼろだと答えるだろうな
俺はうつ伏せで寝ている頭を持ち上がると、俺の横に心配そうに立っている佐伯と名倉を交互に見やった
「お…お坊ちゃまは、いつの間にイギリス系マフィアと手を組んでいらっしゃったのですか?」
「は?」
鼻息荒く佐伯が息巻いた
興奮冷めやらぬ雰囲気を見て、俺は気絶してからそう時間が過ぎていないのだと思った
「そうですよ! 組織運営には全く興味を示してなさそう顔をしてっ。私たちの知らないところで、あんな大きなマフィアと繋がっていたなんて。私たちを驚かせて、心停止させたいんですか?」
何の話をしているのか、さっぱりわからん
こいつら二人は、とうとう頭がイカレたのか?
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