5 / 292

Ⅰ 愛の巣で朝食を④

クッ……シルバーリベリオンたるこの俺が、ハルオミさん目覚まし一つ止められないとは。 失態だ。 そうさ。俺はかつて、日本国に喧嘩を売ったんだ。 α政権下において虐げられ続けてきたΩを解放するため、戦争を起こした。 俺は戦争犯罪者 全国のΩを一斉蜂起させ、戦乱の火を日本に放った。 自衛隊を前身とするα-大日本防衛軍は、俺達Ω解放軍との戦争で敗戦を重ねて後退。首都東京を無血開城する事態にまで至った。 αを恐怖の阿鼻叫喚地獄に突き落としたこの名を聞けば、今でもα共は震え上がる事だろう。 俺は《銀の仮面の叛逆者》シルバーリベリオン ハルオミさんとは夫婦で、政治家と戦犯だ。 許されざる関係の俺達だけど、ハルオミさんは俺の正体がシルバーリベリオンである事を承知の上で、妻として受け入れてくれた。 ハルオミさんは、俺の運命のαで…… 俺は、ハルオミさんの運命のΩだ。 でも例え、運命なんかなくても…… ハルオミさんの妻だよ。 Ω差別撤廃と社会的地位向上を条件に、α-大日本防衛軍とΩ解放軍との間で停戦の合意が為された今、俺がシルバーリベリオンだった事実は、二人の秘密だ。 ……だがな、ハルオミさん。 停戦したとはいえ、俺はシルバーリベリオンなんだよ。 戦場の貴公子と謳われ畏怖された俺の戦略は、錆び付いていない。 クククッ…… あなたは大きなミスを犯した。 根本的なね。 それは、あなたが「ハルオミさん目覚まし」だという事さ。 目覚ましを停止させるのはボタンだ。 人体のボタンといえば、そう! 二つしかないじゃないか!! フハハハハーッ 勝ちだよ、この勝負。俺の勝利だ。 あなたには敗者の苦杯を舐めてもらおうか。 否、あなたはもう舐めている! 俺の指をォォー!! そうだ。 気づいたか。 だが今頃、気づこうが遅い。 あなたは俺の策略にはまっている。 俺の手の中で、転がされていたんだよ。 スイッチといえば、乳首スイッチ!! 俺の頭脳は、あなたが俺の指を舐めるだろう事は予測していた。 これは、想定の範囲内! あなたに舐められたヌメヌメの指で、乳首を摘まんだら、どうなるかな? フフフ…… シュヴァルツ カイザー、策に溺れたな! あなたの失策で自ら溺れるがいい。 快楽の海に!! フハハハハーッ ……………………ぷちっ 「……ジリリリリィ~」 あれ?止まらないな。 もっと強く押すのかな。 ぷちィ~っ 「ジリリリィ」 止まらない。 二つ同時押しか。 右の乳首スイッチも……っと。 ……待て。 指、自分の唾液で濡らしてから押そう。 ちゅぷり ぷちっ クニンっ 「ジリリリィー」 なぜだっ どうして止まらない。 ハルオミさん目覚まし、壊れているぞ! 「……君はどうやら、禁断のスイッチを押してしまったみたいだね。ジリリ」 なにぃッ 「禁断……だと?」 どういう事だ? スイッチが……禁断。 乳首スイッチがトラップだとッ まさかっ! 押した指が乳首スイッチから離れなくなるとかっ …………………………あ、離れた。 まさか、押した指から甘酸っぱい苺ミルクの味がするとかっ ……………………クンクン、パクっ なにもしない。 指の味だ。 ちょっぴり塩辛いのは、緊張していた俺の汗だな。 ない。 なにもおかしな症状なんて、現れてないじゃないか。 「ハルオミさんの嘘つき」 「妻に嘘なんてつかないよ。まだ気づかないかい?ジリリ」 だから、だって。 なんにも症状ないんだって。 これも、俺を惑わせるシュヴァルツ カイザーの策略か? 「自覚がないのか。……それとも私を煽っているのか。ジリリリ?」 サファイアが雄の欲に濡れている。 「君はね……」 「ハウァあァアー!」 触れているっ! にょんっ……と、突如、伸びてきたハルオミさんの足裏が、つんつん、さわさわ~ 直接、俺のナニにィィッ! 「君自身の淫乱スイッチを押してしまったんだよ!ジリリリィィー!!」 俺ェェー すっぽんぽんだったんだァァァー!! 「……カチカチだね。ジリ」 アソコを足で愛でるハルオミさん~ 撫でる足の指の股が、ネトネト光っている。 「君のカウパーだよ。……ジリリ♪」

ともだちにシェアしよう!