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■節分SP■君に捧げる愛の歌⑬
「グショグショなんだろう?」
艶かしい吐息の問いかけに緩く首を振るけれど、否定にならない。
「脱がせばすぐ分かる事だよ」
唇が耳朶を啄んだ。
「耳とどちらが濡れてるんだい?」
「ァウん」
「鳴いても許してあげないよ」
耳のひだも、裏側までねっとり舌が舐め回した。
ハルオミさんの唾液で耳が湿っている。
「答えるんだよ。君は濡れてるかい?」
熱い息を吹きかけられて、喉が震えた。
「……濡れて…ます」
「どこが一番濡れている?」
恥ずかしくて、言いたくなくて。
なのにハルオミさんの囁く息遣いに逆らえない。
「おまた……」
「どうして、そこが濡れるんだろう?私には分からないね」
盛り上がった股間の膨らみをなぞった指が、中心を押してくる。
「コレはなんだろう?」
「いじわる…やめっ」
ハルオミさんだって付いている。
「分からないよ。コレはなにかな?」
「ハルオミさんにも~」
「私がどうしたんだい?」
「あるやつ~」
「おや?私にも付いてただろうか。君のとは、太さも長さも形も違うようだが?」
羞恥で体が熱い。
「正解だよ。君は欲情して火照っている。……私のアソコ、想像したんだろ?」
「ちがっ」
「想像しないと、違いが分からないよ」
………………それは、
だって………………
「悲しいね、忘れてしまったのかい?」
「ちがう!」
ハルオミさんの、いつでも思い出せる。熱くてドクドクして、固くて、青筋の浮き出たヤツ。カリが大きくて引っ掛かるから、いつもそれで虐めるんだ。
奥の奥まで侵入して、掻き回して、抜き差しして。
(お尻……熱いよ)
「ほら、やっぱり」
吐息が甘く笑った。
「君は、私自身を想像してるね」
……アっ、と息を飲んだ時にはもう遅い。
(ハルオミさんにハメられたー!!)
「私自身には名前が付いているのだけれど、君は知っているかな?」
布地越し、股間の盛り上がりをつんっ……と弾かれて、アハン。熱の孕んだ息が漏れる。
「愛する夫だよ。妻の君が知らない筈ないね」
指の腹が口角を擦った。
「涎かな。今度は私を食べているのを想像してたのかい」
俺、そんなはしたない想像しないよ。
……でも。俺の頬を撫でたハルオミさんの人差し指、濡れてた。
「君の上のお口も、下のお口も大好きな私自身の名前はなんだい?」
下唇を指がなぞる。
「私が指を引き抜いたら言うんだよ」
「フヒフ」
「いい子だね、三文字だ」
「ヒフヒ」
「うん、早く言いたくてたまらないんだね!」
ちがうっ
淫らな猥褻語、口にするのもはばかられる。
それなのに、ハルオミさんの指が邪魔して。口内を蹂躙して。言葉が伝えられない。言わないって伝えられない。
「涎をまた垂らして……涎まみれの口でその言葉を言うなんて、卑猥だよ」
言わないと許してくれない。
「私自身の名前は?」
…………………………ち、
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