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《おまけ+》αの習性【⑩】
「……もう。ナツキは我が儘なんだから」
なんだ、それ。
俺が全部、悪いのか?
「うんうん」
アキヒト!こういう時だけ同調するな。
「ナツキ、はかせてあげるよ」
「はかんわっ」
どさくさに紛れて右手に握ったおパンツをはかせようとするな、ユキト。
なにゆえ夫達は、俺にセクシーおパンツをはかせたがるのか?
「お前を俺色に染めたいから」
「やかましいわ!」
(単なるお前の趣味だろう……)
ピッチピチおパンツ♠
でん!!
「うぎゃ」
ユキトはピッチピチブーメラン
ずん!!
「むぎゃ」
アキヒトはアミアミセクシーおパンツ
(……俺は今、最も大切な人を忘れている)
最も危険な人をッ
彼は野放し厳禁だ。
「私は野犬扱いかい」
(思考を読まれたー!)
思考を読み、思考を操るシュヴァルツ カイザーと呼ばれる男。
「間違いじゃないさ。雄という生き物は獣だよ」
深海の瞳が捕らえる。
奥深くに捕らえて離さない。
あなたの言葉は間違いじゃない。
現に俺は動けない。
あなたの瞳に囚われた。
この監獄から抜け出せない。
静かな双眸の色は、肉食獣の光を宿している。
(逃げ出さなきゃいけないのに……)
俺は、どこかで期待している……
「君は私だけのものだ」
支配者の瞳が跪く。
優雅に、あなたは膝を折る。その姿は、俺を護る騎士のように。
「真心を込めて、君にこれを贈るよ」
あなたが取り出した、それは……
「ムギャアアァァァアアアー!!」
「歓喜の声を上げてくれて、嬉しいよ!」
んなわけあるかー!!
「紐~~~!!」
「じゃないよ。よくご覧」
T字に組まれた黒い紐の正面には、白い………
「貝殻ぁぁぁ!!」
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