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【11/26いい風呂の日SP】君はもう運命の罠にかかっているよ⑩《fin》
よしよし。
なでなで。
「~~~♠」
俺をなだめようとして頭を撫でているソレは、雄の象徴です。ハルオミさん。
ソレに撫でられると、なだめられるどころか俺の心はささくれ立ちます。ハルオミさん。
なでなで。
……まだ撫でてくる♠♠♠
(とにかく、あなたはッ)
「き……」
「んたま」
「数えるなァッ!」
ハァハァハァハァッ
「興奮」
「しとらんわッ」
怒っとるんだわッ
「とにかくハルオミさん、無駄にでかいものをしまいなさい」
「??……なんの事だい」
「さっきから俺の頭撫でてるソレ♠」
αは事あるごとにソレ♠で頭を撫でてくる。
それがαの習性で、α最大級の愛情表現であっても。
(俺はいらん)
「ここは風呂場で一糸まとわぬ全裸だ。昂りはしまえないよ」
「湯船に浸かればしまえます」
「そうか」
ザブン
「金玉も数えられない。困ったね……」
(困らなくていいよ、ハルオミさん)
「そこで私は考えた」
「なにを?ハルオミさん」
(くだらない事だとプシューだからね)
「君にしか聞こえないように数えればいいんだ」
「えっ……」
背後からすくわれて、湯船の中、ハルオミさんの膝の上に抱っこされた。
「君にしか聞こえなければ、誰も真似しない……」
ピチャンっ
「ちんこがひとーつ」
低音が耳朶をくすぐった。
「ちんこがふたーつ」
舐めるように、耳の裏を声が這う。
「こら。逃げてはいけないよ」
身をよじった俺を屈強な腕ががっしり抱きしめる。
「ちんこがみっつ……ちんこがよっつ……」
こんなの、俺の身がもたない。
「体温が上がったね。君の体が熱いよ。心臓もドキドキしている」
「ハルオミさん、もう……」
「お風呂から上がりたい?」
こくり。
「ダメだよ。ちゃんと数えないと湯冷めしてしまう」
ぱくり。
真っ赤な耳を食まれてしまう。
「君だけにしか聞こえない声で数えるから安心しなさい。……ちんこがいつーつ」
ハルオミさんは意地悪だ。
思考を読むシュヴァルツ カイザーなら分かってるだろう。
「意地悪はしてないよ」
俺の肩に顎を乗せる。
「勃起した君のココの責任は、お風呂から上がったら責任をとるよ」
そんなこと言われたら、お風呂から上がれない。
あなたはやっぱり卑怯で意地悪だ……
「シュヴァルツ カイザーだからね。夫にした君が面倒みてくれると嬉しいな」
声と一緒に唇がうなじを啄んだ。
…………………………やっぱり大好き。
「私もだ」
俺達は両思い夫婦だね。
《おしまい♪》
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