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自覚
おまけに、だ。
参ることに、遥のスキンシップが多くなった。今までも寄りかかったり抱き付いて来たり軽いキスはしてた。
でも最近はそれに加えて、いきなり耳を噛んだり鎖骨や首筋を舐めたりする。しまいには尻を揉んでくる。
これはちょっと、かなり相当すんげえ困っている。きしょい。スキンシップつかセクハラだ。
エロオヤジかよ!と罵倒してやりたいけど、沸点が低くなってる兄貴には何も出来ません。なされるがままだ。痴漢にあって抵抗できない女子やOLさんの気持ちが分かる。ダメ・痴漢。
「心当たりとか、ねえの?」
サクが眉尻を下げる。色黒で短髪だからパッと見ワイルド系だけど、実は童顔だ。そして目が澄んでて綺麗。同じ綺麗でも誰かさんとは大違いだ。性格が現れてる。
彼はもう、どんなに遥の外面が良くても俺の言葉を疑わない。俺の証言しか証拠が無いにも関わらずだ。サクの溢れんばかりのオトン心に感動する。
「…ない」
でも、そんな親身な友達に嘘で答える俺はクズだ。近ごろ俺は嘘ばっか吐いてる。
でも、言えない。遥がそうなったのは、明らかにスマホ事件の直後からだ。サクが知ったら自分のせいと勘違いするに決まってる。コイツは全然、何も悪くないのに。
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