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自覚
「今更だけどさ…甘えとか執着にしても限度があんじゃね?」
「兄弟なのによ」と、サクが悲痛な表情で土の地面を見つめる。
あ、しまった…どうしよう。弟を大切にしてるサクは遥の行動が信じらんなくて、過去の俺を守れなかった事を悔やんでるんだ。
自惚れじゃない。サクはそういう人間なんだ。皆に親切なんだ。また、俺の胸がチクッと攻撃を受ける。
「だーいじょーぶだってサク、俺そんなヤワじゃねーし!遥になんか負けねーし!」
負けっぱなしの俺が何を仰る。
だけどサクにそんな顔をさせたくなくて、俺はとびっきりの笑顔を作る。
色々ツッコミ所のある空元気だったけど、「説得力ねーよ」とサクは微笑してくれた。少し寂しそうなものだったけど、俺は安心した。「いい天気だなー」と話題を変え、空を仰ぎつつ伸びをする。
サクも倣って体をほぐして、座っていたベンチから立った。隣がぽっかりと空く。
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