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自覚

今日は日曜日。サクに誘われて草野球を観にやって来た。 俺たちの目の前では社会人チームの試合が繰り広げられている。 やけに間に休憩を挟む、のんびりしたものだ。河原に近いから風も気持ちいいし、遥も居ないし清々しい。リフレッシュばんざい! 「今日、眼鏡じゃねえんだな」 サクがそう言ったのは、そんな爽やかな空気を俺が漫喫してる時だった。 斜め前の長身が笑いかけてくる。どこか嬉しげなそれに、「うん」と俺も嬉しくなる。 遥が確実に居ない所では、俺は眼鏡をかけない。鬱陶しいし、微妙に重いし。 でも、非常事態に備えて持ち歩いてはいる。備えあれば憂いなしだ。リュックから眼鏡ケースを出して掲げると「なんで誇らしげ」とサクにウケられた。あれ、そんなドヤってた? 「俺、やっぱ素のお前が好きだわ」 笑いながらサクが言う。 それに――――俺の心臓がドクンと強く鳴った。体温が猛スピードで上昇する。 ――え、な?何これ?熱い いきなり勝手に火照りだした頬を、俺は慌てて両手で抑えた。サクが気付いて「叶多?」と近寄ってくる。 うわっ待て待て、来るなサク。俺、風邪気味かもしんない。

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