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第40話 宿星 Ⅲ
「星都さん、コレ…海音から自分が居なくなってしまった後に、星都さんに渡して欲しいと頼まれていたんです」
陸也が荷物を纏めに行っている間 お父さんから差し出された手紙
小さくお礼を言って受け取ると、そっと内ポケットにしまった
「星都さん 本当にありがとうございました
陸也にも海音にも良くして頂いて…」
「そんな!! 俺なんて…全然…」
最近の俺は自分の力量の無さを嘆いてばかりで、お父さんの言葉はとてもじゃないけど素直に受け取れなかった
「ごめん 永遠…お待たせ」
「全然待ってないよ
じゃあ、行こうか⁇」
「うん…」
陸也の鞄を取ろうとしたら、大丈夫と断られてしまった
陸也はそのままお父さんの方に向き直ると、小さく手を振っている
「また連絡するね」
「ああ…星都さんも、何かあったら直ぐに連絡下さい」
「はい、勿論です」
お父さんに深く頭を下げた後、陸也と外に出た
まだ雨が降っていた為傘をさすと、半分陸也の方に傾けた
「ありがとう…永遠」
「ん…じゃあ行こっか」
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