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第39話 宿星 Ⅱ〜side陸也〜

「ゴメン…母さんが落ち着くまで 家を出たい…」 兄さんの葬式が全て終わり、このまま家に帰る気持ちになれなかった俺は、父さんにそう切り出した 兄さんが亡くなってからの母親の癇癪が、以前と比べ物にならないくらい激しくて辛い 俺が悪いのは分かっているから、全部受け止めたいと思っていたけど、どこにいても安らぐ時間がないのは想像以上にキツくて、情けないけど逃げ出したくなった 「そうだな…でも もういつ発情期が来てかもおなしくないのに、一人で大丈夫か⁇」 「大丈夫だよ…抑制剤も持ち歩いているし、一人で何とかする」 そう… 一人で大丈夫 ていうか、もう何もかもが どうでも良い 俺なんて、誰かにめちゃくちゃにされたら良いとすら思う 「分かった…とりあえずどこかホテルを取ろう」 「あの!! もし良かったら 俺の家どうですか!?」 父さんの言葉とやや被った聞き慣れた声に振り返ると、永遠が心配そうな顔で立っていた 「家、部屋余ってるし!! 登下校も一緒に出来ますし!!」 「永遠…でも…迷惑…」 「全然迷惑じゃない!!  陸也が嫌じゃなければ、いくらでも居てくれて良いし!!」 永遠の勢いに戸惑いつつ父さんを見ると、小さく頷いていた   「知っている人と一緒の方が安心じゃないか⁇  お言葉に甘えさせて貰いなさい」 「…じゃあ…よ、よろしくお願いします」 俺がそう呟くと 永遠はホッとした様な表情を向けてきて、その顔に 胸の奥が ギュッと絞られる様な感じがした  

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