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第3話

同じ頃、樹は東堂のアトリエにいた。 絵や画材が無造作に置かれている室内。そこで東堂に一枚の絵を見せられた樹はその目を見開いた。 「  」感動のあまり言葉を失った樹は刹那、その目から涙を流し始めた。 「泣くほど感動してくれるとは…」東堂はそう言うとその顔を綻ばせた。 「君もその内こんな絵を描けるようになるよ」 「まさか…」 それから樹に樹の絵を高く買ってくれる…であろう画商を紹介した東堂は後日、画商に絵を高く買って貰え以前より絵を描く時間が出来た樹に再会した。 「…あっ東堂さん」 大学の構内。そこで東堂に再会した樹は笑顔で東堂に歩み寄った。 「先日はありがとうございました。東堂さんのおかげで前より絵を描く時間が作れるようになりました。」 「そう」東堂はそう言うと切り出しにくそうに樹に絵のモデルになってくれないか?と言う話をした。 「エ…僕がですか?」 「ああ、この間の礼と言っては何なんだけど」 「それは構わないんですけど、僕なんかよりキレイな人いっぱいいるのに…」樹はその首を傾げ東堂はその顔を綻ばせた。 「僕は君よりキレイな人を知らない」

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