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第5話

先輩の宣言通りに散々イタズラされた後、すっかり汚れてしまった衣装を脱いだ僕は、先輩と一緒にベッドに横になっていた。 「先輩、もしよかったら一緒にハロウィンイベント行ってみますか?  今日のはちょっと人前では着られないから、もうちょっと普通の仮装で。  同人イベントでキャラのコスプレするのは僕には無理だなーって思ってたけど、ハロウィンだったら気軽にコスプレできそうだし」 同人イベントでコスプレは見慣れているけど、見れば見るほど、あのハイクオリティのコスプレは僕には無理だと思う。 中にはそれほど気合いの入っていないコスプレをしてる人もいるけど、大半は時間も手間もお金もかけまくっているコスプレイヤーたちで、その中に入っていく度胸はちょっとない。 その点、ハロウィンはお祭りなのでコスプレ素人の僕でも大丈夫な気がする。 先輩とお揃いのコスプレで騒ぐのは楽しそうだし、後日その衣装を二人だけでエロいことに使ったらまた今日みたいに燃えられそうでいいかもと思う。 そんなことを考えて提案してみたのだが、先輩はすぐに「だめだ」と否定してきた。 「絶対、だめだからな。  女装じゃなくても、お前がコスプレしたら何着てもかわいいに決まってるから、そんなの他のやつに見せるなんてもったいないだろ。  コスプレはおれの前だけにしておけよ」 「えっ……」 先輩が反対する理由を聞いて、僕は自然と顔がにやけてきてしまう。 ちょっとかたよった方向ではあるけれど、先輩が僕に独占欲を持ってくれているのが感じられて、嬉しくて仕方がない。 「高橋、返事は?」 「あっ、はい!  わかりました。 僕、コスプレは先輩の前だけにします」 僕がそう答えると、先輩は微笑んで僕の頭を撫でてくれた。 先輩の嬉しそうな様子を見て、僕はまた機会があれば今日みたいに自分からコスプレしてもいいかなと考えていた。

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