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第13話
ちなみに…リーベルトとクリス、そして木島…もとい…
「ね?トリー」
トリトが本当の名らしい木島。
「ねぇ?何で木島?」
「あぁ。私がまだとても幼い頃嵐に巻き込まれ人間界の浜へ打ち上げられたことがあって。その時異形な私を助けてくれたのが木島 文吾。美月さまの先祖なのです」
数代前に確かにそういう人が存在していたことは昔から伝わる文献で知っていた。
「私はしばらく人間界で人として生きていた。その時の名が木島 海波(きじま みわ)。木島は本当の父のような人だった…私が好んでしている姿は文吾の姿なのです…文吾がいなければ私はもう存在しておらずこうしてクリスと…夫婦となることもなかった」
「え?夫婦!?」
「あぁ。私は暫く深海にすんでいたことがあって。その時トリーと契りを交わしたのです。だから深海の住民たちは皆私たちの子孫です」
「え!?そうなの!?」
「ねぇ。美月…君そんなに長く話していて平気かい?」
「え?」
あ…そうだった…俺…熱が…
急激に体が重くなり意識を手放した
目が覚めると俺を優しい眼差しで見つめるリーベルトがいた
「リーベルト様…すいません…」
「リュウト…リュウトって呼んで」
「リュウト…さん」
「っ…ありがとう…美月…まだ辛いだろ?休みなさい…」
愛しい人に見守られ再度目を閉じる。夢の中の貴方も優しく頬笑む…何て幸せな…夢…
起きてもまたあなたが側で笑っていてくれますように
完
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