1 / 16

プロローグ

『好きだ……』 もし、心の声が聞こえたらどうする…………? 明日は楽しみにしてた学祭。ちょうどハロウィンだから当日は皆、仮装して売り子や案内をする。 「渋谷くんー!明日の衣装きたよ。合わせてみて!」 俺の所属するテニスサークルでは全員テニスウェア来て猫耳、猫シッポ着用。 …………女の子は分かる。 ウェアのスカート短いし、猫耳、シッポ合わせたら可愛い。何故、男まで……!? 先輩達は『インパクトが大事。ウェア着てればテニスサークルだってアピール出来る。』とか言ってたけど、絶対に予算足りなくて考えるのが面倒くさかっただけだと思う。 「やだー!渋谷くん、猫耳似合う!」 「本当。可愛い!」 「…………全然、嬉しくないです。」 女の先輩達にキャッキャッ言われたけど、気分はブルー。学祭は楽しみだけど、こんな阿呆な格好、友達に見られたら嫌だな…… 「もう取ってもいいですか?」 「ダメダメ!写真取ろう!」 「今、スマホ持ってくるから、取らないで待ってて!」 先輩達はスマホを取りに行ってしまった。 痛いよな…… 19歳の男が猫耳とシッポ。 ありえない…… 足音もしなかったのに、人影がありドキッとする。そこには魔女の格好した小さな女の子が立っていた。

ともだちにシェアしよう!