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第5話
毎日、彼と一緒に寝てるベットは、ただ今、るあちゃんが占領中。
床の上にぺたんと座り、頬杖をついて、そのあどけない寝顔を眺めていた。
神様は、何故、稀有なこの体を授けてくだったのだろうか。
男でもない、女でもない中途半端な体を。
頬擦りしたくなるくらい、柔らかな頬っぺた。
バンザイの格好で、ぐーに握った手を上にあげ、大の字で寝てる姿がなんとも愛らしい。
頼人との子供ーー欲しいな・・・
そんな事を考えてたら、後ろから抱き締められた。
「まだ怒ってる・・・よな?ごめんな」
そういえば、喧嘩の真っ最中だったんだ。
だって僕だけがのけ者扱いなんだもの。
るあちゃんでさえ、みおっていう子の事を知ってるのに、のらりくらりと煮えきれない彼の態度に、堪忍袋の緒が切れた。
「俺、バカが付くくらいブラコンなんだ。未央は、末の弟でーー血は繋がっていないけど・・・佳兄と、もう一人の弟の篤人と結婚して、インド洋に浮かぶガーランドっていう国で暮らしているんだ。離れている分、未央が心配で堪らないんだ」
「ちょっと待って‼結婚って⁉あれ、弟だよね?」
頭の中が混乱して、彼の話しが上手く飲み込めない。
「未央は、ユキと同じ両性なんだ。ガーランドは、一夫多妻制で、同性同士の結婚も容認されている。話せば長くなるけど」
「両性って・・・」
僕と同じなの?
そんな、まさか・・・
「ねぇ、頼人」
「ん⁉」
項を彼の鼻息が擽る。
大好きな彼の重み。匂い。温もり。
その総てが愛おしい。
でも、彼の心を占めているのは僕じゃない。
未央っていう子。そうじゃなかったら、好き好んで僕みたいなのと一緒にいてくれるはずもないもの。
「その子の事、好きだったの?」
「ーー今だから言える事だけど、好きだったんだと思う。だから、つい、意地悪をしたくなるんだろうな。信じて貰えないかもしれないが、今は、ユキ一途だ」
彼の唇が、首筋をゆっくりと這い回る。
「そこは弱いからだめ‼」
くすぐったくて、身を捩ると、くすくすと笑われた。
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