5 / 11

第5話

毎日、彼と一緒に寝てるベットは、ただ今、るあちゃんが占領中。 床の上にぺたんと座り、頬杖をついて、そのあどけない寝顔を眺めていた。 神様は、何故、稀有なこの体を授けてくだったのだろうか。 男でもない、女でもない中途半端な体を。 頬擦りしたくなるくらい、柔らかな頬っぺた。 バンザイの格好で、ぐーに握った手を上にあげ、大の字で寝てる姿がなんとも愛らしい。 頼人との子供ーー欲しいな・・・ そんな事を考えてたら、後ろから抱き締められた。 「まだ怒ってる・・・よな?ごめんな」 そういえば、喧嘩の真っ最中だったんだ。 だって僕だけがのけ者扱いなんだもの。 るあちゃんでさえ、みおっていう子の事を知ってるのに、のらりくらりと煮えきれない彼の態度に、堪忍袋の緒が切れた。 「俺、バカが付くくらいブラコンなんだ。未央は、末の弟でーー血は繋がっていないけど・・・佳兄と、もう一人の弟の篤人と結婚して、インド洋に浮かぶガーランドっていう国で暮らしているんだ。離れている分、未央が心配で堪らないんだ」 「ちょっと待って‼結婚って⁉あれ、弟だよね?」 頭の中が混乱して、彼の話しが上手く飲み込めない。 「未央は、ユキと同じ両性なんだ。ガーランドは、一夫多妻制で、同性同士の結婚も容認されている。話せば長くなるけど」 「両性って・・・」 僕と同じなの? そんな、まさか・・・ 「ねぇ、頼人」 「ん⁉」 項を彼の鼻息が擽る。 大好きな彼の重み。匂い。温もり。 その総てが愛おしい。 でも、彼の心を占めているのは僕じゃない。 未央っていう子。そうじゃなかったら、好き好んで僕みたいなのと一緒にいてくれるはずもないもの。 「その子の事、好きだったの?」 「ーー今だから言える事だけど、好きだったんだと思う。だから、つい、意地悪をしたくなるんだろうな。信じて貰えないかもしれないが、今は、ユキ一途だ」 彼の唇が、首筋をゆっくりと這い回る。 「そこは弱いからだめ‼」 くすぐったくて、身を捩ると、くすくすと笑われた。

ともだちにシェアしよう!