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第10話

ギシッと、ベットが静かに軋んだ。 「ユキ、ごめんな」 体をむくっと起こした彼が、手の甲に軽くキスをしてくれた。ゆっくり手を下ろすと、彼の指が頬を流れる涙を掬い上げてくれた。 「泣かせるつもりはなかったんだ」 笑顔で見下ろされ、優しい声色で囁き掛けてくれて、額や目尻、鼻先や、頬になだめるように口付けを何度もしてくれた。 「ユキ愛してる」 「うん・・・僕も好き・・・」 彼の口唇が唇をそっと塞ぐ。 その時、蜜口に彼の指が再び挿ってきて、そのまま、奥をズんと穿たれ、ぐりぐりと指で掻き回してきた。 「頼人‼待っ・・・っう、ん・・・」 僅かな隙間から声を出したけど、すぐに塞がれた。 彼に掻き回されるたび、ぐちょっ、ぐちょっ、じゅぶっ、じゅぶっと、艶かしい濡れた音がしてきた。 「すごいよ、指に吸い付いてくる」 ようやく唇を離してくれた彼。口の端から零れ落ちた一筋の唾液を啜り上げた。 「気持ちいいだろ⁉」 「分かんない‼」 ぶんぶんと首を振った。 「そっかぁ・・・じゃあ、ここはどうかな?」 頼人の指が増え、肉襞を掻き分けながら、更に奥へと進んでいく。 「頼人・・・らめ‼」 プックリと尖りたった肉蕾を、ねちっこくこねくり回され、一際甲高い声を上げ、背中をしならせた。 どくんどくんと全身の震えが止まらない。 気の遠くなるような快感の波に飲み込まれた。 目もちかちか点滅して、最初、何が起こったのか分からなかった。 波が引くように冷静さをゆっくり取り戻したとき、お腹が生暖かな液でグッショリと濡れていた。 それが、自分の吐き出した精液だと気付き、顔から火が出るくらい恥ずかしかった。

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